2話
魔物の森の奥深く、緑に探索された静寂の中で、リリスはじっと耳を澄ませていた。
森には数多の魔物がひしめいていたが、彼女にとって重要なのは、この森の調和を誓ったこと。
こんな折、ふと小さな鳴き声が風に乗って聞こえてきた。
「…誰かしら?」
不思議に思い、リリスは声の方へと足を運んだ。
木々を抜けると、小さな祠があり、その中に一羽のカラの雛が怯えたように縮こまっていた。
しかし、その金色に輝く瞳はどこか異質だった。
「…あなた、どうしてこんなところに?」
リリスは静かに問いかける。その声に反応した雛は、少し怖がりながら彼女を立ち上げた。
親を亡くし、金色の目をそむける理由に仲間からも見捨てられた小さな存在。
中で何かが動いた。
「…この子、ただのカラスじゃない。」
リリスはその場に膝をつき、雛をそっと抱き上げる。
温もりを感じさせる彼女の手のひらが、冷えている雛の体に徐々に力を与えていく。
リリスは確信していた。 まだ誰も気づいていない特別な力が眠っていると。
「あなたには、特別な力があるのよ。」
リリスは優しく説き、雛にその言葉を届けた。
そして、彼女はその小さな存在に「オルム」という名前を与えた。
名前を与えられた瞬間、オルムの体が柔らかな光に包まれ、まるで新しい命が吹き込めたかのように彼の瞳が輝き出した。
「これからは、私のそばにいなさい。私たちでこの森を守っていきましょう。」
オルムはリリスの温かな手に包まれながら、新たな自分を感じ取っていた。
彼はもう、ただのカラの雛ではない。
リリスの名前を与えられ、彼は特別な力を持って存在していた新しくなったのだ。