1話
静寂に包まれた森の奥深く、ひときわ目立つ大きな木の祠があった。
周囲は緑に覆われ、木漏れ日が薄暗い地面に柔らかな光を投げかけている。
そこには、まだ生まれたばかりのカラスの雛が一羽、震えながら身を縮めていた。
彼は金色の目を持っており、その特異な色ゆえに仲間から仲間外れにされ、つらい日々を過ごしていた。
雛は親を亡くした悲しみを抱え、日々のいじめから逃れるために祠の中に隠れていた。
外の世界では、彼を見かけると仲間たちは「金色の目の雛なんて、異端だ」と笑い、避けて通った。その度に、彼の心は傷つき、孤独感がますます深まっていく。
「どうして僕はこんな目をして生まれてしまったんだろう…」
彼は心の中で涙を流し、ふと外を見る。周囲の暗闇の中で、金色の目はひときわ輝いていたが、
その輝きは孤独をさらに際立たせるだけだった。心の中に広がる悲しみと不安は、
彼をさらに小さくさせた。
しかし、ある日、静かな祠の中で、小さな声を聞いた。
その声は、彼の心の奥深くに響くように感じた。
何かの導きのように思えた雛は、少しずつ身を起こす。
彼は自分が置かれている状況から逃れられる日を夢見ていた。