表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マネキンの首  作者: ツヨシ
3/3

夏休みが開けても、雅俊は理由をつけて一人で帰る。

それがもう当たり前となっていたため、俺もしつこく言うことはなかった。

そして帰り、気になった俺は倉庫に入った。

首のないマネキンが十九体。

つまり首のあるマネキンが残り一体となっていた。

俺はふと思った。

このマネキンの全ての首が亡くなったら、一体どうなるのだろうか。


数日後、倉庫に入ると全てのマネキンの首がなくなっていた。

俺はなぜかわからないが、背筋が寒くなった。


「おい、行くぞ」

朝、雅俊を迎えに行く。

しかし雅俊は出てこず、かわりに雅俊の母親が出てきた。

「うちの子、今日はちょっと調子が悪いみたいで」

「そうですか。じゃあお大事にと伝えてください」

一人で学校に向かう。


学校で先生に言われた。

「川田は休みか。じゃあおまえ、このプリントを届けてくれ」

俺はプリントを受け取った。雅俊に渡すための。


「ごめんください」

そう言うと母親が出てきた。

「雅俊君に渡すプリント。持ってきた……」

見れば母親は、真っ青な顔をしてぶるぶる震えている。

「どうしたんですか」

「雅俊が、雅俊が……」

俺は玄関を上がり、そのまま二階へ向かった。

そして雅俊の部屋に入った。

――!

雅俊は部屋の真ん中にいた。

そしてその周りを多くのマネキンの首がぐるりと囲んでいた。

そのマネキンの首は、全て雅俊の方を向いていた。

「やあ、来たね。喜んでよ。僕、こんなにいっぱい彼女ができたんだ」

何か聞こえる。

よく聞きよく見れば、雅俊のまわりにあるマネキンの首が一斉に「雅俊君、大好き」と何度もささやいていたのだ。



       終

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
∀・)パズルのように完成されていくホラーないし怪談でありましたね。最後の場面で完成したワケですが、それが気持ち良くもホラーとしてちゃんと気持ち悪いっていうね。褒め言葉ですよ(笑)堪能をさせていただきま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ