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大和国つまようじ物語シリーズ

大和国つまようじ物語

作者: 竹山右之助

コメディーよりなので軽い気持ちで読んでください。

 長く続いた戦乱がようやく終わりを迎えた天下太平の世で、楊枝と箸を手に天下一を目指した元剣客の"箸職人"の物語である。 




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 シュコッ シュコッ シュコッ シュコッ


 ここは大和国(やまとこく)のとある藩の緑濃い山の中。

 その中のさらに鬱蒼と緑が生い茂る中に一軒の小さな家があった。

 その今にも傾いて崩れ落ちそうな小さな家から、延々と木を削る音だけが漏れ出ている。



「だめだ!」


 そう言って男は削っていた木を囲炉裏の火にくべた。

 その男の周りは削られた木屑で足の踏み場もない。

 男は火にかけられていた鍋から粥をよそい、一気に口に流し込んだ。


「この味……」


 食べるのを忘れて削りに没頭してしまったために、粥が悪くなりかけていた。

 この寝食を忘れて木を削る男は、城下では有名な"箸職人"の『竹山竹之進(たけやまたけのしん)』。

 そう……後年、箸と楊枝作りで並ぶ者なしと名を轟かせるあの匠、『竹山竹之進』の若き日の姿である。



 剣の腕を買われ、とある大名に召し抱えられていた剣客であったが、天下太平の世になった事で剣客としての身分を辞して、己が道を究めるために刀を置き"箸職人"となった変わり者である。

 仕えていた大名に剣客の身分を辞して"箸職人"になりたいと伝えた所、その大名は竹之進の覚悟を大層気に入ってくださり、この山奥の小さな家を含む小さな土地をを拝領する運びとなったわけである。


 なぜこの土地なのかといえば、様々な種の良質の木が多く自生している山の中なので、"箸職人"になるのならば都合が良かろうとの大名の心遣いであり、山の木も自由に使うが良いという気前の良さだ。



 竹之進は元より、木を削り仏像や動物を彫ったり、自分用の箸を削り出すのが趣味であったために"箸職人"の道を選んだのだが、寝食を忘れてしまうほどの凝り性が災いして中々納得のいく箸が削れないでいた。


 たまにいい箸が削り上がり、これが複数出来上がった頃に山を下り城下町で箸を売るという生活をしていた。

 流石、竹之進が納得のいく箸なのだけあり、町で売りに出せば飛ぶように良い値段で売れるのであった。

 そして帰り道にある門前町の一軒の馴染みの蕎麦屋でニシン蕎麦を食べて帰る…これが竹之進の唯一の楽しみであり贅沢であった。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「なぜだ……」


 納得のいく思い描く形になぜか削れぬ竹之進。

 持ちやすくするために、持ち手の部分を八角形に削る。

 箸先は蕎麦などの麺が滑りにくくする為、敢えて凹凸をつける……たかがこれだけの事が出来ぬことに苛立ちを覚えていた。



 凝り性で職人気質の竹之進は、その天才的とも言える着眼力、発想力、独自の感性で大和国に流通している箸とは一線を画す新型の箸を生み出そうとしていた。

 そう……竹之進を有名にしたあの"滑り止め付き箸"である。

 ただこの時の竹之進の技術が発想に追いついていなかったのが悔やまれる。

 箸先に滑り止めの為の輪っか状の凹凸をつける……現代の箸では当たり前にある工夫だが、竹之進の住む時代では一本一本箸先に手作業で溝を彫る必要がある。

 それ自体は可能なのだが、溝を彫るとどうしても箸が強度不足になってしまうのだ。

 竹之進は考えた末に、素材である木に着目する。


「檜を試すか……」


 決断した竹之進の行動は早い。

 決断したその足で斧と鋸を手に檜を切り倒しに山を急ぐ。

 数ある檜の中から良さそうな木に当たりをつけ斧を何度も打ち付けた。

 切り倒した檜はその場で細い枝を落とし、ある程度の大きさの材木に切り分ける。

 切り分けた材木は家まで何往復もして持ち運び、乾くまで日に当て晒しておく。

 当然すぐ乾くわけではないので、他の杉や桑、柚子、(タモ)青梻(アオダモ)、楓、翌檜(あすなろ)に南天……果ては梅や桜の木など様々な木を材木に切り分け天日に晒しておいた。



「くくく……」


 これで当分は材料には困らず削りに集中出来るとほくそ笑む竹之進。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「ふむ……」


 檜の箸は香りが良いが、この香りを口元に運ぶのは好き嫌いが分かれる可能性に気付いた竹之進。

 次に香りの控えめな杉を試す。


 "箸職人"竹山竹之進のこだわりはこうだ。

 まず材料となる材木から、何の工夫もない箸を適当に一膳削り出す。

 それを己で数日使ってみて、思い描く箸に向いた香り、強度、弾性、色つや、木目など様々な角度から材料を選び出す所から始まる。


 次に決まった材料を一本一本削り出してゆく。

 もちろん箸なので一本だけ会心の出来では売り物にならない、一膳揃って初めて箸となるのだ。

 これがまた難しい。


 後に、晩年の竹之進は自伝〈あの日見た箸の名前を僕たちはまだ知らない。〉にてこの頃を振り返ってこう語っている。


『あの頃の儂は目の前の木の事しか見えておらなんだ。納得のいく一本を削り出し、次の一本を削っておる頃には前の一本の事などまるで目に入っておらなんだ。それでは良い箸など出来まいよ。箸は一対で一膳の箸。完璧の一本と上出来程度の一本で組み合わさった箸を使うくらいなら、同じくらいほどほどの出来の組み合わせの箸の方が、箸として使い心地、格、共に上である。儂はその事に気付かぬまま"箸職人"を名乗っておった。今思い返すと恥ずかしさの余り自害してしまいたくなる』……と。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「ううむ……」


 先日切り分けた材木を使った箸の出来に、納得がいかず苛立つ竹之進。


 ある材木は加工に難があり、

 ある材木は木目は美しいが強度が足りない。

 ある材木は弾性に富み強靭だが香りが悪い。

 一長一短を持つ材木達の特性を上手く扱えない己の未熟な腕に苛立っていたのだ。


 普通の箸を削り出すだけならば、ここにある材木全てが素晴らしい箸を作り出すだろう。

 だが竹之進が目指す画期的な箸には、何かが足りない材木ばかりであった。


 竹之進は悩やんだ末に、どうしても好物のニシン蕎麦が食いたくなり、一長一短ある材木達を使い何の変哲もない箸を急いで削り出した。



 まとまった数の箸が出来上がると、竹之進は山奥の小さな家を飛び出し山を下り、城下町のいつもの場所に腰を下ろして箸を並べた敷物を広げ、『箸屋竹山』の看板をいつものように立てた。

 すると程なくして客が来た。


 何か香りの良い箸はないかと尋ねるので、竹之進は檜で作った箸を勧めた。


「あら、良い香りのお箸ですね。頂いていきましょうかね」


 檜の箸が売れた。

 するとまた程なくして次の客が来た。


「祝箸が欲しいんだが、何か見繕ってくれるかい?」


 すると竹之進は、お蚕様の餌となる神聖な木である桑で作った箸を勧めた。


「こいつぁ縁起が良いぜ。一つくれるかい?」


 桑で出来た箸が簡単に売れた。

 それを物珍しそうに見ていた別の客が来た。


「惚れた女子(おなご)に箸を贈りてえんだ。雪のように肌の白いべっぴんさんさ」


 それを聞いた竹之進は(タモ)で作った箸を勧めた。

 優しい白色の美しい木目を持つ木だからだ。


「お、お前さん……完璧だぜ。あの女子にピッタシの箸じゃねえか。ぜひ売ってくれ」


 梻で作った美しい箸が売れた。

 少しすると噂を聞きつけた別の客が来た。


「何か丈夫な箸はないかしら? ウチの人ったらすぐ箸を噛んで駄目にしてしまうのよ」


 その要望に竹之進は柚子の木で出来た箸を勧めた。

 柚子の木は家具にも使われる事の多い硬くて頑丈な木だからだ。


「あらヤダ……本当に硬そう……。試しに一つ頂いてみるわ」


 硬くて頑丈な柚子の木で出来た箸が売れた。

 すると、しばらくしてから何やら難しい顔をした客がやってきた。


「……迷信でも何でもいい……何か厄除けや魔除けになりそうは箸はないかね? 藁にもすがりたい思いってやつでね」


 すると竹之進は少し考えてから南天で出来た箸を差し出した。

 南天は低木、細い、曲がっていて節も多いという加工が難しい木ではあるものの、病気をしない・長生きをするなどの俗信があり、『難を転じて福となす』から難転と当て字が使われる程の木だからだ。

 それを説明すると難しい顔をした男は大層喜んで、


「ありがたやありがたや。私が求めていた物はまさにそう言った物だ。ずいぶんと気持ちが楽になった。是非とも南天の箸を売っておくれ。南天の箸は加工が難しいのが難点ってか!?」

「…………」


 竹之進は聞こえなかった振りをしたが、難しい顔をした男の顔が少しだけ和らいだのを見逃さなかった。

 南天の箸は高値で売れた。

 それからその日最後の客が来た。


「もうすぐ娘が子供を産むんです……初孫になります。何か安産の御守りになるようなお箸はありませんか?」


 その言葉に竹之進は、素直に神社で安産の御守りを買った方が良いだろうにと思いつつも梅の木で作った箸と桜の木で作った箸の両方を指差した。


「梅の木と桜の木で誂えた箸ですか……珍しいですね」


 特に珍しいわけではないと言いかけたがグッと堪えた竹之進。

 なぜ梅の箸を選んだのかというと、梅の字の毎の部分は子供を産む母の姿を象形化したもので、それ故に昔から梅の木は安産を促す母なる樹とされてきたからだ。

 そして片や桜は昔から桜の枝を妊婦が持つと安産祈願になると言われている木だからだ。

 その説明を聞いて祖母になる女の客が大層喜んだのは言うまでもない。


「両方頂くわ」


 梅の箸と桜の箸がなかなかの値で売れた。

 竹之進は小金持ちになった。


 小金持ちになった竹之進はニヤニヤしてしまいそうになるのを脇腹をつねりながら我慢して帰路に着き、途中にある門前町で馴染みの蕎麦屋に立ち寄り、いつものようにニシン蕎麦を頼んだ。

 注文をとり、立ち去ろうとした蕎麦屋の娘をつかまえておずおずと話しかける。


「もし……」


 ニシン蕎麦のニシンを2枚載せる事は可能かと尋ねた竹之進。

 蕎麦屋の娘は厨房に確認に行くとすぐ戻り「出来ます!」と笑った。 竹之進も笑った。

 もちろん2枚載せを頼んだ。 金ならあるんや。


 ニシン蕎麦が出来上がるのを待つ間、竹之進の頭の中はやはりあの箸の事でいっぱいだった。

 今から食べるニシン蕎麦も、いつものように既存の箸では滑って食べにくいだろう。

 そこで必要になるのが件の箸というわけだ。


 だが今現在の竹之進の腕では完成まで程遠く、かと言ってこれといった木にも巡りあってはいなかった。

 竹之進は小金を稼いでいい気になっていた自分を大層恥じたが、大好物のニシン蕎麦が運ばれてきたらそんな事はすっかり忘れてしまった。

 ……なんせ初めてのニシン2枚載せという贅沢をしたからだ。


 ニシンを一口齧り、つゆを一口飲み蕎麦をすする。一気にすする。

 だがどうだ、やはり麺を持ち上げようとすると滑って箸からするりと零れ落ちてしまう。

 やはりあの箸の完成を急がねばと思いつつも、大好物のニシン蕎麦を食べているうちに竹之進は考える事をやめた。


 蕎麦をアッという間に完食し腹と心が満たされた竹之進は、


『くちにいわかんをおぼえた』


 なんと先程食べたニシン蕎麦が、贅沢をした竹之進に反旗を翻していたのだ。

 歯と歯の間にニシンの骨が挟まっている。

 竹之進は何とも言えぬ不快感を感じて眉をひそめていた。


「何か……」


 キョロキョロと辺りを見回し机の上の楊枝に目が止まった。

 こいつがあれば大丈夫と楊枝入れから一本抜き取り口に運ぶ。

 違和感のある歯と歯の間を掃除するためだ。

 だがどうだ、口に運んだ楊枝はアッサリと折れてしまった。

 竹之進はふと何か頭に引っかかりを覚えた。

 だが今はそれどころではない。


 新たに楊枝入れから一本抜き取り、歯に挟まったニシンの骨を取るために小刻みに動かす。

 竹之進は何とか骨を取ることができた。

 そして手に持った骨の付いたままの楊枝を見てふと先程の引っかかりを思い出す。


 なぜ楊枝とはこんなに簡単に折れるのか?

 答えは至極簡単、細いからだ。

 ではコレを折れにくい素材で作ったらどうか?


 あと一歩のところで、何か閃きそうな竹之進に蕎麦屋の娘が蕎麦湯を勧めにやってきた。

 もちろんありがたくいただく。



『まだ竹之進と楊枝の運命は交差しない』


 晩年の竹之進が当時を振り返り語った言葉だ。


 あと一歩のところで何度も使える楊枝を着想出来そうだった竹之進。だがまだ道のりは長い。

 竹之進は自叙伝〈箸の一分(はしのいちぶん)〉でこう振り返っている。


『とにかくあの頃は新型の箸の事しか頭になかった。寝ても覚めても箸、箸、箸。不器用な儂には箸のことを考えながら楊枝の事も考えるなんて土台無理であった』と。




 蕎麦湯をありがたくいただいた竹之進は楊枝の事などすっかり忘れて蕎麦屋からの帰り道、稼いだ金で大和国では自生しておらぬ異国の木を買ってやろうかと気持ちが大きくなっていた。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 蕎麦屋から帰りながら、あちらこちらで木を観察しながら帰ったために思いのほか帰宅時間が遅くなってしまった竹之進。


 暗くなった山を何とか歩き、ほうほうのていで家に着いた。

 竹之進は家に入るとまず囲炉裏に火を起こし、その横で寝転がり今日食べた好物のニシン蕎麦に思いを馳せていた。


「……2枚載せ……」


 夢見心地だが本来貧乏性の竹之進は自分の行いを後悔し始めていた。

 何て贅沢をしたんだ竹之進。

 お前の願いは金を儲けてニシン蕎麦を腹一杯食べる事なのか!?

 自問自答を繰り返し、金を稼ぐ事自体は悪い事じゃないという結論に達した竹之進。

 今日は良い気分で寝るぞとそのまま眠りについた。




 ドンドンドンッ ドンドンドンッ


 朝早くに家の戸を叩く大きな音で目覚めた竹之進。

 どうやら客が来たようだ。

 竹之進の寝起きは悪くない。

 こんなに朝早く、こんな山奥まで変わり者の"箸職人"に会いに来るとは、余程の箸好きに違いないと笑みを浮かべる竹之進。

 だが竹之進の願い虚しく、客はかつて仕えていた大名からの使いの者であった。


「大名様から"箸職人"竹山竹之進殿をお連れしろとの命です。急ぎ御支度を」


 支度も何も今すぐ着のみ着のまま出立出来る竹之進。

 瓶の水で顔だけ洗い、大名の使いの者と共に山を下りる。

 本当は件の箸の製作をしたかったとは言えないのが辛いところである。




 かつて仕えていた城に到着した竹之進。

 今更ながら綺麗な着物に着替えてこれば良かったと動揺を隠せない。

 控えの間に通され、もう引き返せなくなった竹之進。

 冷や汗は止まる事を知らない。

 そして遂に大広間に通される。


「久しいな竹之進。息災であったか?」


「殿……」


 もう召抱えられてはいなくもも、かつての主に礼を尽くす竹之進。

 なかなか頭が上げられない。


「その汚れた姿を一目見ればわかる。余程箸作りに没頭しておるようじゃの」


 殿様の素敵な勘違いでボロ着で来た事を咎められなかった竹之進。

 ニシンを2枚載せた蕎麦に夢見心地だったとは決して言えない。

 生きた心地はしていない。


「其方の箸の噂……儂の所まで届いておるぞ。儂の元を離れ"箸職人"になったのも間違いではなかったな」


 殿様の器の大きさに涙ぐむ竹之進。

 男は涙を見せぬもの。


「今日呼んだのは他でもない。貿易で大和国には生えておらぬ異国の材木が手に入ったのじゃ。それを使い儂の箸を其方に誂えて欲しいのじゃが……どうだ!?」


 異国の材木と聞いて胸がキュンと高鳴った竹之進。

 2つ返事で了承した。


「何と言ったかの……確か黒檀(こくたん)と言った木じゃ。儂の箸を作った余りの材木は其方が好きにせい。それが褒美じゃ」


 余りの材木が貰えるとは思っていなかった竹之進。

 なんとか必要最低限の量しか使わず箸を完成させ、少しでも多くの黒檀を手元に残そうと考えていた。



 この時の事を晩年に随筆〈箸の名は。〉でこう語っている。



『まさに棚からぼた餅的未知との遭遇であった』と。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 城から戻った竹之進。

 明くる日の朝早くから黒檀の到着を今か今かと待ち続けていた。

 材木が届く前に、大名に納める箸の構想を練る。

 奇を(てら)う必要はない。

 きっちり箸を作れば良いのだ。

 そうだ夫婦箸にしよう……奥方様にも誂えれば殿も喜んでくれるであろう。


 そして一発で完成させる事が何より大事だと自分に言い聞かせる竹之進。

 報酬が余った材木なので、無駄に試作や失敗は出来ぬのだ。

 竹之進が己の欲望に忠実になっていると、ようやっと黒檀が届いた。


 黒檀を受け取り、飛脚を素早く追い返す。

 そして一発で完成させるぞと息を巻く。

 だが(すんで)のところで過ちに気付いた竹之進。

 なぜなら黒檀を扱うのは初めてなのだ。

 その木の特性も知らずに箸を作ろうとしたのだ。"箸職人"失格である。


 初心に戻り、まず適当に切り出した黒檀で箸を一膳作ってみる。

 そしてアッと驚く竹之進。


「……重い……」


 黒檀は重く硬い木であった。

 箸の材料としては黒檀は理想的である。

 答えに辿り着いたと確信した竹之進。

 粗く大まかに箸を削り出す。

 手に持ってみると、やはりよく馴染む。

 この試作品を自分用にしようと磨き始めた竹之進。

 そして黒檀は磨くと金属のように美しく輝く事に気付いた。


「よし……」


 殿様の箸用に木を切り分け削り出す。

 削りが終わったら磨きだ。

 磨けば磨くほど美しく輝く黒檀の箸……素晴らしい。

 そして夫婦箸とするため、奥方様用にも材木を切り分ける。

 そして奥方様用の少し小ぶりに削り上げた箸には漆を塗り赤く美しく仕上げた。

 その美しさに、漆を塗って仕上げるのも素晴らしく答えは決して一つではないと気付いた竹之進。

 さらには両方の箸の頭に殿の家紋を彫り、これで完成である。

 アッという間に殿様からの依頼を完了した竹之進は、あまりにも早く納めてしまうと要らぬ誤解を受けるかもしれぬと思い、献上は少し時を開けてからする事にした。



 そして遂に黒檀で件の箸の製作にとりかかる。


「この硬さなら……」


 慎重に箸先から一寸半程度のところまで、輪っか状の溝を幾つか彫る。

 後で磨き上げるので少し深めに彫っておく。

 竹之進は慎重に慎重に彫り続けた。

 一本成功したらもう一本。

 箸は一膳揃ってはじめて箸になるのだから。

 そして……、


『竹之進は"滑り止め付き箸"の製作に成功した』



「ついに……」


 竹之進はついに追い求め続けた理想の箸"滑り止め付き箸"を完成させた。

 悲願を達成したのだ。


 後に竹之進はこの時の事を〈大和の中心で、箸を削る〉にてこう振り返っている。


『盆と正月が一遍に来た上に、己が人生の命題をやり遂げたと思った』と。



 だが〈竹之進 職人やめるってよ〉でも演じられていた通りに、竹之進はそれが間違いであった事にすぐ気が付くのであった。


 嬉しさの波に溺れながら、ついに完成した黒檀製"滑り止め付き箸"を磨き上げる竹之進。

 だが竹之進はついに気付いてしまった。


「これ値段……」


 そうなのだ、売るにしても値がつけられないのだ。

 ただでさえ竹之進の技術の全て注ぎ込んだ箸であるのに、素材の黒檀が通常では入手出来ない一品なのである。

 よしんば入手出来たとしても、異国から買い付ける木材では高額すぎて、とても気軽に使える素材ではなかったのだ。

 悲願が達成されていなかったことに気付いてガックリと項垂れる竹之進。

 だが彼の飽くなき探究心は決して折れることはなかった。



『いつか……この黒檀から作った箸を誰もが気軽に使える時代が来ればいい』

 ※竹山竹之進名言集〈一本木列伝 箸を編む〉より抜粋



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 外国の材木で作った箸は、値段が高くなりすぎる事に気が付いた竹之進。

 仕上がった一膳の黒檀製の箸は自分用の“ 己箸(おのればし) ”にして、家宝として大切に仕舞っておいた。

 もちろん余った材木も大切に保管した。

 抜かりはない竹之進。



 後日、夫婦箸を献上するため登城した竹之進。

 綺麗な着物に着替えて行くのも忘れない。

 抜かりはないぞ竹之進。


 控えの間で、前回とは違い堂々と声が掛かるのを待つ竹之進。

 だが実のところ内心は緊張でどうにかなってしまいそうな竹之進。

 何故なら材木の黒檀を多く余らせる為に、一発勝負で作った箸だからだ。

 本来ならば、何膳も作り選び抜いた品を献上しなければならないはずだ。

 決して手を抜いたわけではないが、ささっと手早く作り上げた品だと見抜かれたりはしないか心配で仕方ない。


「竹山竹之進殿」


 大広間へと通された竹之進。

 かつての主に礼を尽くす。


「この日を待っておったぞ竹之進。どれ、見せてみよ」


「ここに……」


 係の者に桐箱に収めた黒檀の夫婦箸を託す。

 その者が殿様に桐箱を手渡すと、殿様は大層御機嫌な様子で箱の紐を解いた。


「開けるぞ?」


 殿様の声にゴクリと唾を飲み込んだ竹之進。

 殿様の一挙手一投足を見逃さない。

 蓋を開けた殿様の動きが止まる。

 それを見て心の臓まで止まってしまいそうな竹之進。

 そしてついに殿様が桐箱の蓋を開けた。


「な……何だこの箸は!」


 手早く作り上げた箸だと見抜かれたと思い逃げ出したくなる竹之進。


「美しい…美しすぎるぞ竹之進! こんな箸を儂はついぞ見た事がない。それに家内の箸まで作ってくるとは……夫婦箸か……まっこと見事だ竹之進!」


 殿様には痛く気に入ってもらえた様子だ。



 後に振り返り竹之進はこの時の事をこのように例えている。


『まさに前門の虎、後門の狼。おまけに右門に猪、左門に熊』と言った気分であったと。

 ※参考文献 実用格言集〈されど箸さりとて楊枝〉




 夫婦箸に機嫌を良くした殿様が、報酬が余った材木だけでは申し訳が立たぬといい、金まで支払ってくれた。


『たけのしんはたいきんをてにいれた!』


 なんだか後ろめたい気持ちになる竹之進。

 いそいそと城を後にした。



 はなから城に来るついでに店を出すつもりだった竹之進。

 さまざまな木で作った箸をしっかりと準備して来ていた。

 城下町のいつもの場所に腰を下ろし看板を立て店を開く。 『箸屋竹山』開店です。

 敷物を広げ自慢の箸達を並べているとさっそく客が来た。


「へぇ… なかなかの逸品揃いだねぇ… でも高いんだろ?気軽に使える箸のかまいいな… 安いやつあるかい?」


 嫌味を受け流す竹之進。

 そんないけ好かない客に(ほうのき)の箸を勧めた。

 軽く加工しやすくどこにでも生えている木だからだ。


 本来ならどの素材で作っても竹之進が作った箸ならばそれなりの値がするのだが、今日は安売りする事も厭わない。

 何故なら人生で一番懐が暖かいからだ。


「へぇ… ありがとよ」


 朴の箸を安売りした。

 次に身なりの良い客が来た


「来月元服する息子に箸を贈りたい。死ぬまで使えるような箸はあるのかい?」


 竹之進は迷った挙句、栗の木で出来た箸を差し出した。

 非常に硬く丈夫であり、単寧(タンニン)という成分を多く含むため、長く使うと色が濃くなっていき味わいが変化していくのが特徴だからだ。

 ただ非常に硬いがために加工が難しいので少しだけ値が張ってしまう。


「アンタいい職人だねぇ……長く使えるだけじゃなく共に成長する箸を選んでくれるなんて。オイラにこの箸を売ってくれるかい?」


 高値の栗の木で出来た箸が売れた。

 ニシン蕎麦が早く食べたくなった竹之進、次の客を今日の最後の客に決めた。

 すると何やら見たことのある顔の客が来た。


「ご無沙汰だねぇ箸屋さん」


 いつぞやの南天の箸を買ってくれた、難しい顔をしていた客だ。

 今日は難しい顔をしていない事に気が付いた。

 細かい変化を見逃しはしない、違いのわかる男だ竹之進。


「お前さんから買った南天の箸。ありゃ凄い逸品だねぇ。アレを持ち帰って神棚に供えてみたら、私を悩ませていた問題があれよあれよと言う間に勝手に解決しちまった」


 箸を褒められて嬉しくなる竹之進。


「この間のお礼だ。少々値が張ってもいいから珍しい箸はないかい?」


 がめついと思われるのを避ける為、少し悩んだ振りした竹之進。

 柿の木で作られた箸を手渡した。


「柿の木……独特な風合いが美しいが何か珍しい物なのかい?」


 柿木の中でも黒色の縞模様や濃淡がある黒柿と呼ばれる珍しい柿木から作ってあるからだ。

 この独特な模様が出るには樹齢を重ねた樹であると共に、土壌に含まれる金属や目に見えぬ小さき生物の働きが必要となるとても希少価値の高い材料から作られているのだ。

 この説明に今日は難しい顔をしていない客は大変感心して、


「箸を削り出す技術だけではなく、材料となる木にも精通している素晴らしい職人だね、お前さんは」


 難しい顔をしてない客に希少な黒柿の箸がとてもいい値で売れた。

 これで店を閉めて蕎麦屋に行けると思った竹之進。

 だが難しい顔をしていない客が帰らない。


「そうそう……お前さん。これだけの腕があれば、色んな素材から楊枝も作れるんじゃないかい?」


 また何か頭に引っかかりを覚えた竹之進。


「いろんな材木で頑丈だったり、美しかったり、香りが良かったり。そんな楊枝があったら面白いと思うんだがねぇ」


 あと少しで何か閃きそうな竹之進。

 だがここで"箸職人"としての矜持が邪魔をする。


「……まだ……」


 まだ理想の箸を完成させていない竹之進。


「そうかい……いつかお前さんが素晴らしい箸と共に楊枝を作ってくれる事を楽しみにしとくよ。いい職人だが融通が効かないのが()()ってか!?」

「……」


 また聞こえていない振りをする竹之進。

 難しい顔をしていない客は笑って帰って行った。



『それでも竹之進と楊枝の運命は交わらない』

 ※小説〈そして箸になる〉より引用


 店を畳み城下町を出て門前町へと急ぐ。

 早くニシン蕎麦が食べたいからだ。

 前回と同じ徹は踏まないとキツく自分に言い聞かせる竹之進。

 門前町に着くと他には一切目もくれず馴染みの蕎麦屋"主水(もんど)"に入る。


 席に着く前にニシン蕎麦を頼む。

 今日も金はあるが、前回浮かれた自分を恥じた竹之進は"2枚載せ"は頼まない。


 蕎麦を待つ間、箸立てに並ぶ箸を見ながら考える事はやはりあの箸の事だ。

 黒檀は素晴らしい素材だが簡単に手に入らない。

 何かいい素材はないかと頭を悩ませる。

 だが蕎麦が来たから考えるのをひとまずやめた。


 いつものように箸立てから箸を取り、ニシンを一口齧り、つゆを一口飲み蕎麦をすする。一気にすする。


「……美味い……」


 いつ来てもいつ食べても同じ味同じ出来。生半生半(なまなか)な腕では出来る事ではない。

 おそらく蕎麦処"主水(もんど)"の大将も竹之進と同じく頑固なこだわりを持った職人気質な親父なのだろう。

 勝手に共感する竹之進。

 アッと言う間に蕎麦を平らげたが、そんな職人気質な親父に感謝を伝える代わりに酒の燗を追加する竹之進。

 つまみにはニシンの甘露煮を注文した。

 酒を一口煽り甘露煮を食べる。


「ふぅ……」

 最高の贅沢じゃねえか……。


 次々と甘露煮を口に運び酒を煽る竹之進。

 酒が無くなる頃に"蕎麦処主水"の看板娘が蕎麦湯を聞きにきた。

 もちろんありがたくいただく。


 蕎麦湯で割ったつゆを飲み干し帰ろうとした処で、酒で良い気分になった竹之進はふと楊枝を一本口に加え蕎麦屋を後にした。

 結果、ニシンを2枚食べてしまった竹之進。

 過ちを繰り返した事に気付いてはいない。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 ほろ酔い気分での帰り道、何処かで竹之進が大金を持っている事を聞きつけたのか、野盗だか浪人だか分からないゴロツキに絡まれた。


「わかってんだろう? 有り金全部置いていきな」


「な……」


 恐喝される竹之進。

 ゴロツキは刀を抜いている。


 すぐさま腰の物に手を伸ばした竹之進。

 だがそこには何もない。

 竹之進はもう剣客ではないのだ。

 刀を持ち歩いていない事に今更ながらに気が付いた。


「何か……」


 オロオロと何か得物の代わりはないかと辺りを見回す。

 そして口に加えた得物に気が付く竹之進。

 口という鞘から楊枝という名の刀を抜いて構える。

 竹之進は腐っても、大名に召抱えられていた元剣客。

 そこいらのゴロツキに遅れをとりはしない。


「お前……舐めてんのか! この野郎!!」


 ゴロツキは怒髪天を衝く勢いだ。

 何故このゴロツキはこんなに怒っているのか竹之進にはわからない。

 剣の達人ともなれば箸で飛んでいる蝿を掴み、楊枝で槍と対峙すると言うのだから、なんら不思議な事ではない。


 切りかかってくるゴロツキの刀を楊枝で往なそうとする竹之進。

 だがどうだ、竹之進の思いとは裏腹に楊枝はアッサリと折れた。


「何で……」


 楊枝が折れてしまって焦る竹之進。

 だがそんな彼も、元は大名に剣の腕だけで召抱えられたほどの剣客なのだ。

 もちろん無手でも強い。

 それこそアッサリと無手でゴロツキを撃退した竹之進。

 絡んできたゴロツキよりも、簡単に折れた楊枝に腹を立てていた。


 ピコーン! 何かが閃いた。


 簡単に折れた楊枝が悪いのではない。

 簡単に折れる楊枝しかないのが悪いのである。

 そしてそれを作れる者がいないのであれば、竹之進が作るしかないのだ。



 ──その時歴史が動いた──。


『これが天命なんだと思い至りました』

(※竹之進の生涯を描いた映画〈八日目の箸〉の一幕)


 遂に竹之進と楊枝の運命が一本に交わったのである。



 竹之進は走った。

 走った。

 閃きを形にするために。


 家に着くなり様々な材木を短く切り分け削り出した。

 削って削って形を整え磨きあげる。

 ここに大和国初、使い捨てではない楊枝の試作品が出来上がった。

 その出来上がった試作品の楊枝を代わる代わる口に運ぶ。


「む……」


 悪くはない……悪くはないが……これも件の箸と同じで完成には程遠かった。

 やはり素材に答えを求めた竹之進。

 備蓄のある材木全てで楊枝を作り出す。


 ある素材は香りが悪く、

 ある素材は苦い味がする。

 そしてある素材は香りも味も良いが簡単に折れてしまう。

 これではだめだ。

 楊枝としても一長一短ある素材達に竹之進は大いに悩んだ……。


 悩んだ末に『二兎を追うものは一兎をも得ず』に気付いた。

 真理だった。


 この事は、竹山竹之進失敗談集〈先ず箸より始めよ〉にて何度も触れている。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 改めて箸と向き合う事にした竹之進。

 箸だけに集中した竹之進に死角はない。


 素材となる木を一から検討する為に、家のある山を己の身一つで歩く事にした。

 家を出て庭の南天を横目に裏の竹林に入り、そこを抜けると白樺や翌檜、朴や橅に梅桜、(タモ)、柚子に桑……様々な木を見て触りながら山を歩き続けた。


 そして気がつくと家の裏の竹林に戻っていた竹之進。

 青青とした竹林を一筋の風が吹き抜ける。

 竹の葉がサワサワと音を立て、それがなんとも耳に心地よい。


『風が語りかけてきた気がした』


 箸選び指南書〈はじめの一膳〉で竹之進は当時の心境を振り返っている。



「竹……」


 頭の中で何かがピタリとはまった気がした竹之進。

 なぜ今まで竹に気が付かなかったのであろう。

 それは竹之進が竹を"木"として見ていなかったからだ。

 確かに竹は他の木とは見た目が随分と違う。

 だが竹も素材になり得るだろう。


 思えば己が名前に"竹"が二回も使われているのも運命か。

 幼少の頃はよくからかわれたりもして、随分と両親を恨んだりもした。

 特によくからかってきた三軒隣の次郎吉、お玉の事は未だ許していない。


 だが竹林で風を感じ名前の竹に気が付いた。

 よくよく考えて見れば"箸"の字にも"竹"冠が使われているではないか。

 これを天啓と捉えた竹之進。


 急ぎ家に鋸を取りに帰り、裏の竹林へも急いで戻る。

 竹を一本一本見て周り、出来るだけ節と節の間隔が長い竹を選び切り倒した。

 その場で葉を落とし持ち帰り、家で鉈を使い真っ二つに割る。

 そこから節を目印に切り分ける作業を繰り返した竹之進。

 持ち前の集中力を遺憾無く発揮して、日が暮れる頃には大量の竹材を作ることが出来た。



「いざ……」


 夕餉(ゆうげ)を済ませ、竹と向き合う竹之進。



『この時の集中を超えた事は一度もない。もうあの音の無い世界には行けないんじゃないかと感じる』


 竹之進作品集〈箸ときどき楊枝〉でこう語ったのは晩年の匠、竹之進本人だ。

 そう本人が後に言うように、竹之進の集中力は凄まじく、竹之進の耳には一切の音が届いていなかった。


 削る 削る 削る

 彫る 彫る 彫る

 磨く 磨く 磨く


 音のある世界に帰ってきた竹之進。

 気付けば朝になっていた。


「ついに……」


 ついに竹之進は思い描いていた理想の箸を完成させた。ここに悲願は成ったのだ。


「……」


 完成した"竹製滑り止め付き箸"を見て男泣きする竹之進。ここまでの道のりは余りにも長かった。

 素材として巡り合った竹は素晴らしく、強度、しなやかさ、香り、味、そして特筆すべきは油を通さないと言う圧倒的特性。

 この竹の特性を、竹之進は〈箸よ聞いてくれ〉内でこう語る。


『まさに完璧』



 この"竹製滑り止め付き箸"が世に出回れば、皆が麺を箸からこぼれ落とす事なく美味しくいただける世になる。

 そう確信した竹之進。


「これで……」


 ついに楊枝の製作に取り掛かることが出来る。

 だが竹之進にはするべき事があった。

 この完成したばかりの"竹製滑り止め付き箸"でニシン蕎麦を食べる事だ。

 設計上は麺が滑らない箸なのだが、実際に使用してみないことには始まらない。

 めでたい今日は"2枚載せ"を頼もうか。



 門前町まで歩く道すがら、竹之進は今までの事を思い返していた。


 削りに初めて成功した日のこと。

 完成した箸を折ってしまって泣いた日の事。

 素材を求めて山を駆けた日々。

 弱い箸、苦い箸、強い箸、香る箸、縁起がいい箸悪い箸…経験した全てを思い出し一つの答えに辿りついた竹之進。



『みんなちがって、みんないい』

 ※絶筆〈わたしと楊枝と箸と〉の結びより引用


 それに気付いた竹之進。さらに創作意欲が湧いてくる。




 今日も今日とて竹之進 明日はどんな箸を作ろうか。




 おしまい


あらすじにも書いたように、ジャンルを悩みに悩みました。

コメディーなのかヒューマンドラマなのか、はたまたローファンタジーなのか悩みましたが、箸と向き合い続ける男の物語なのでヒューマンドラマとさせていただきました。


冷静に考えてみるとニシン蕎麦で蕎麦湯は付かないと思いますが、あくまでも物語の中の世界ではありにします。


書いてる内に色々浮かんできたので、続編を書いたり連載版として再編したりするかもしれません。


評価などしていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ちょこちょこ出てくる自叙伝の作品名に草ですw
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