彼女はかわいくて、少しえっちで、この上なく、積極的です。
おれは今、幸せの絶頂にいる。
何故なら、好きな女の子と付き合っているからだ。
おれの名前は杉田 大輝
稲岡高校に通う高校二年生だ。
そして、おれの彼女というのが。
「……」
おれの隣の席に座っている女の子、田中 美咲だ。
彼女は彼氏という目線を抜いても、美少女だ。
髪はサラッとしていて、腰のあたりまるであるくらい長く、顔立ちもかなり整っていて、スタイルなんか目に毒だってくらい良い。まさにボンキュッボンを体現したような感じ。
体育の授業の時なんて、しょっちゅう、目で追ってしまうくらいのスタイルの良さだ。
そんな彼女とは小学校からの付き合い、いわゆる幼なじみというやつだ。
おまけにお互いの家もかなり近く、互いの家に遊びに行くのなんて、毎日のようにあった。
そんな彼女を好きになったのは、中学の頃からだった。
どんどんと女性らしく、変化していく彼女を見ているうちに段々と彼女のことが頭から離れなくなっていった。
だが、おれは自分の気持ちを隠し続けた。
もし、告白して断られたら、今の関係が終わってしまう。そんなことになるくらいなら、今のままでいい。おれはそう思っていた。
しかし、高校に入学してから、美咲は色んな男子から告白されまくった。
何故か美咲はそれをことごとく断っていたが、内心、いつか告白を受け入れるんじゃないかと気が気じゃなかった。
そして、おれは先月、ようやく美咲に告白した。
結果はokだった。美咲は嬉し涙を出しながら、なんでもっと早く言ってくれなかったのかと責めてきた。聞けば、美咲もおれのことがずっと好きだったらしい。
しかし、告白はおれからしてほしいと思っていて、ずっと黙っていたのだった。
おれは美咲に思いっきり謝りながら、彼女をぎゅっと抱きしめた。
美咲は、バカとか鈍感とか悪口を言いながらも、おれの背中に手を回してくれた。
ちなみに告白はおれの家でしたので、周りの目はなかったので、安心して抱きしめた。
以来、おれと美咲は恋人同士ということになっている。
「何、ぼーっとしてんの?」
すると、隣の席に座っていた美咲がそう聞いてきた。
「え、ああ、おれは今、幸せだなぁと思って」
「学校で何考えてんのよ。あんまり変なことしないでよ?」
少しだけ、怪訝な表情で美咲はそう言ってきた。
別に変なことはしないっての……
おれが心の中でそう思った時、授業が始まるチャイムが鳴るのだった。
♦︎
退屈な授業も終わり、休み時間になった。
すると、休み時間になった途端、美咲がおれの肩を叩いてきた。
「ん、どうした?」
「ちょっと相談したいことがあるんだけど」
そう言って、席を立ち上がり、教室から出ていく。
おれは慌てて、その後を追いかける。
美咲は一人先に廊下を歩き、そのままどんどんと階段を降りていく。
そして、一階の階段下の影になっているところにやってきた。
「なぁ、一体、どうし……」
ようやく追いついたおれが、そう聞こうとした瞬間。
「んっ……」
美咲が勢いよく抱きついてきたかと思うと、いきなり唇を重ねてきた。
「ん、はぁ……ちゅる……」
そして、その柔らかい唇を激しく這わせていく。
おれはその柔らかい感触にたまらなくなってしまう。
「ん……はぁはぁ……」
少し経ってから、少し名残惜しそうに美咲は唇を離していった。
「ど、どうしたんだよ、いきなりこんなこと……」
おれは息を整えながら、聞く。
「だ、大輝を補充したの……」
美咲は顔を赤らめながら、そう言った。
「ほ、補充……?」
「うん……放課後まで我慢できなかったから……」
「そ、そうか……」
「また足りなくなったら、呼ぶね……」
そう言って、美咲は一足先に階段下から去っていった。
学校でこんなこと、とてつもなく不謹慎だと思うが、こんな補充ならいつでも大歓迎だ。
美咲の背中を見つめながら、おれはそう思うのだった。