第十九話 猫耳少女ウィバーナ 一日目
1日目
デジャヴ感の激しい台詞ではあるが、あえて言おう。
獣領で迎える新しい朝だ。
闘技場での連戦連勝を重ね、恐怖の象徴となった挙句に巨人領消滅事件での冤罪を掛けられ、危なくなった身を守るためにちょっとした魔法を習得したり、獣領領主から面倒だけど暇潰しにはピッタリな依頼を受けたりと。
本当にいろいろとあり、今こうして新しい朝を迎える。
こんな日には、きっと気持ちの良い目覚めをするのだと、そう思っていた。
しかし、期待はいつもそう叶うものではない。
例えば今朝は、窓の外、睡眠を邪魔しない程度の喧騒で包まれる商業区からの大きな呼び声によって起こされた。
「おっはよーーーーーーーーーーっ!!!!」
とてもというのが過言足らずな程に寝起きには辛い、元気でハツラツとした声だ。声音の若さがまた一層に激しさを増している。
夏休みの朝、ラジオ体操でやたら動きと挨拶にキレを入れる近所の好青年のように面倒な気しかしない。
と、寝起きながら考えていた。
無駄に意味もなく考えているだけで、睡眠欲が存在を増すような気がしたから。
しかし、当然ながら意味はない。それに、無視する訳にもいかない。何故って、
「........うるさいなぁ」
それ以外に理由はない。むしろ、他に何がありますか?と問うてみたい。
一応補足しておくと、意識が目覚めてからまだ目すら開けていない。
体が完全に起きてくれるまで動く気なんてなかったのに.....。
「おーーーーーーーいっ」
声の本人が誰かは分かっている。言葉の内容からして、誰が何のために来たのか。本来目的を完全に失っていることは確かな気がする。
その者は、ウィバーナ・フェリオル。獣領の最高守衛団[五神最将]の二番手の実力を持ち、
「アーーーーーーーーミーーーーーーーーーちゃーーーーーーーーんっ、あーーーーそぼっ!!!!」
獣領領主リュファイスの客人たる最強種族カイザンの護衛という名目と大義名分の下、毎日アミネスと遊びたいだけの猫耳少女である。
巨人領消滅に関しての誤報によるカイザンに及んでしまうあるゆる危険を阻止することが今のウィバーナに与えられた使命。
しかし、それもまた表面上の名目でしかない。
実際は、カイザンが信用に値するかどうかを一緒に過ごすことで判断するため。
そんなかんなで、ウィバーナは宿の外からアミネスを呼んでいる。
呼び声は確実にアミネスを呼んでいるものだし、カイザンが声をかける必要は特にないのだが、おそらくウィバーナの声は届いていない。部屋配置の問題だ。
このままでは尽きることのない元気さで永遠と大声を出され続けそうなので、一応は起きて伝えないと。
・・・こんな朝に不本意で起きるとか、学校行ってた時以来だな。なんだか女神領でのグータラライフが恋しく感じちまうぜ。
狂ってでも女神領に帰る気はないが。
平日の学校では寝坊なんてしたことはないが、それでも授業中には眠たくなる。もちろん、〇〇式や〇〇会議関係での睡魔的なブラック・アウトは経験済みだ。
......計何秒間、布団の中で一切体を動かさずに考えてみた。
起きる気力が湧くか、それともウィバーナに打ち勝つ程の眠気が訪れるのを待って二度寝を始めるかの二択で迷っている現状で取った特に意味のない行動である。
・・・仕方ない。起きよう。とりあえず静かにさせてから考えよう。うん、それが良い。.....よし、心は動く準備出来たぞ。....動け体。....いや、ピクピクすんじゃなくてさ。ほら、準備OKだや。いや、寝返りでもなくて...。
「起きてるのぉーーーーーーーーーー?」
無駄に時間を掛けている間にも外では轟音が鳴り響いている。
・・・そんな長くて範囲の広い割に個人に対して向けられた疑問は初めてだよ。
「.....まあ、おかげで起きれたってことにしとくか」
このなんとも言えない朝起きの感じから覚めない内に起きるのが一番。
サッと、最短モーションで腕を動かして軽く瞼をこすって、スッと勢いよく頭上へと拳を突き出す。
上半身を朝の全力で伸ばしながら欠伸を挟み、その間で下半身の動き具合を確認。
跳ね起きるのが一番速いのだろうが、ここはあえて横に転がっていくスタイル。床とで多少高低差のあるベッドから叩き落とされることで体は勝手に起きるというもの。
「ぐふっ」
思いの外衝撃が強かったことはさておき、肋骨をそっと押さえつつ窓へと近寄る。
そこから意味もなく恐る恐る顔を出すと、
「あっ、カイザー」
「カイザンだっ!!」
挨拶時の勢いが完全に消えているがっかり音量でお届けされたそれにはさすがに反応しない訳にはいかなく。
・・・朝に大声出させんなよ。つか、そのテンションは何だ。さっきの元気どこに置いてったよ?
案の定、アミネスは居ないので誰にも疑問は届かず。
「まあそれは置いといて。....アミネスを呼びに来たんだろうけど、こっからじゃ意味ねぇよ。宿に入ってご挨拶願うか、裏に回るかしろ。街路側からいくら呼んでも、俺の部屋に轟音として響くだけなんだよ」
宿の入り口の真上にある部屋こそがカイザンの部屋であり、商業施設が集まる街路側にある。一方でアミネスの部屋は二人の泊まる三階廊下を挟んだ反対側に位置しているのだ。
故に、このまま叫ばれ続けるのは困る。端的に寝たいのだ。
「ええぇーー。イヤだよー。カイザンも一緒に行くのぉー。だから、カイザンがアミちゃん呼んで来て」
早速、睡眠欲を潰しにかかる要求が飛んできた。
「えー、俺もかよ。嫌だよ、面倒な。俺の枕が惰眠を欲しているだからしょうがない。俺抜きで遊べ、そして、自分で呼んで来い。俺は寝る」
二度寝を潰された怒りというものは激しいものだ。
本来であれば、心から求めていた猫耳っ娘ボイスで起こされるなんて、とんでもない快楽であるというのに。
・・・いや、普通にうるさいから。
「わたしもイヤだよー。だってだって、リーダーがこの宿にはすっごい悪党が住み着いてるから、中には入るにゃって言ってたもん」
「それ俺だけど俺じゃねぇよっ!!」
またこのパターンかとばかりのツッコミの後、静かにため息を吐く。
ウィバーナからも偏見とかの目で見られそうだと考えたが、それを上回るワクワクの詰まった願望の瞳で見つめ続けてくるウィバーナ。
・・・はぁーー、たぶん、どう説得しても退いてくれそうにはないよな。それに、もう起きたし。
「.......はぁ。もう、はいはい、分かったよ、俺も一緒に行くよ。そもそもで言えば、ウィバーナは俺の護衛だからな。....今すぐ準備は進めるけども、朝の早い獣種と違って俺もアミネスも完全な寝起きだ。少しは待たせるからな」
「待つのは苦手にゃんだけど、精一杯がんばるよー」
握り拳二つを胸の前に引き寄せて、精一杯頑張るよアピール。そんなに張り切ってするものじゃないと思うのだが。
「我慢はお利口だけど、爆発しないタイプで頼むな。責任は取れませんのでー」
一応の保険を言い残し、そっと窓から離れる。面倒だから閉じなくてもいいだろう思って開けっ放し。今は急ぐことが最優先。
ウィバーナに向けて保険を残した理由は、どんなに小さいことでも、あの[五神最将]のリーダーであるルギリアスとか言う変な奴......じゃなくて、変な報告でもされたら悪即斬されてもおかしくない現状だ。
獣爪は剣より痛しを心掛けたいと思う。剣の方はぽっくり行くからな。あっさり死ねたらの話。
「とりま、準備を始めないとっと」
・・・朝飯の方は遊びついでに食べるとして、優先的にアミネスだな。女子って理由だけだけども。
おそらく朝の準備は明らかに男の子のカイザンよりもアミネスの方がいろいろと長くなると考え、予め声をかけておくのが一番と判断。
「朝は機嫌が悪いかもしれないから、特に俺は呼びに行きたくないんだけどなー」
そう言いつつも、廊下に出るために扉に手をかける。個人的に人を待たせるのは嫌いだから。
「....えっと、なんて声かければいいんだろう?.......お、おはよう、アミネス......。最初の方から分かんないな。いつもはだいたい、俺が部屋から出たらもう居るし、経験がねぇな。どうしよう。やっぱり、挨拶は...」
「もう、待てにゃーーーーいっ」
「あっ、それだ。もう待てに....」
扉の前でうじうじと呟きながら考えるヘタレなカイザン。ウィバーナの事を忘れてしばらくそれについて考えようとしていたその背後から、急に近くなった声が聞こえた。
「へぁっ?っぶぅ」
素っ頓狂な声を漏らしながら振り向いた矢先、その姿が目の前にあり、尚且つ跳び蹴りっぽい体勢にあった。
・・・これはもしかして...。
案の定、跳んで来た足はカイザンの背中に着地。押し出すように前に体重をかけられた。
この部屋は三階であり、最強種族の暮らしている。こんな事が出来るのは、一人し....。
「でゅ、っとほっづぶ」
人は焦った時、無意識に変な声を出し続けるのだと理解した。
扉に衝突する寸前でドアノブを掴んでいた腕をひねり、扉を開放。それでもヤバそうな音だけはした。
扉が開いた事により急な衝突は防げたものの、その後間も無く、顎を床に叩き付ける。扉にぶつかっていた方がよかったと完全に後悔したことは言うまでもない。
衝撃を顎一点に受けて身悶えするカイザンの上で悠々とその惨劇を見届けたウィバーナは、何も言わずにぴょんと跳ねるように廊下に出る。
肉体派の獣種が他種族の痛覚意識に疎いという話はここで証明された。
下半身を自室に、上半身を廊下に出したまま動けないカイザンの前でウィバーナは勢いのまま豪快に扉を開けてこう叫ぶ。
「アミちゃん、遊ぼーーーっ」
その向けられた先、戸惑いの表情を浮かべながら既に準備をあらかた整えていたアミネスが居た。
「ぅ、うん.....」
急かされたような了解を受け取り、ウィバーナは笑顔で喜びと高揚感を表現する。
「自由奔放、過ぎんだろ.....」
一分も待てていない、そんなウィバーナに対し、カイザンは顎を押さえつつできる精一杯の不満を床へとぶつけたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「って事で、早速遊んでいこうかー」
あれからすぐに支度を終えたカイザンは、宿の前で号令的なものを掛けた。
アミネスは寝起きとは思えない涼やかな表情でそれをスルーし、ウィバーナは「おー!!」と元気よく反応してくれている。
アミネスを除き、二人はさっきの出来事を無かったことにする気満々の体制ということは確かだ。
・・・俺悪くないけどな。
扉の破壊に関しては、カイザンとウィバーナがアミネスに木工用ボンドの創造を強要するも却下。ここは、カイザンの異名で宿主には脅しめに黙ってもらうことにした。
・・・俺悪くないけどな。
今後この三名での行動はアミネスの倫理観がかなり重大な役目の可能性が高いだろう。と本人がため息を吐いている。
・・・俺悪くないって言ってるけどな。それが倫理に反してるってか?
心の中でいつまでも男らしくないカイザンに、アミネスは今もまた不満げに。
「どうしてカイザンさんが仕切っているんですか?」
あまり触れられたくない点をストレートに聞いてくる辺り、さすがは帝王のパートナーだと思う。
この場で仕切るのが一番なのだが、仕切ったら仕切ったでイキッてると思われそうな気がして、さらっと始めたのに...。
「いや、一応はこの中の最年長俺だし。俺を筆頭に進めていかないと上手く統率が取れない的なアレだよ」
「でしたら、カイザンさんが先頭で歩いていいですよ。私たちが後ろをついて行くので」
「振り返ったら絶対に居ないやつだろ、それ」
・・・そういうノリにしてくれんなら逆に助かるよ。それへの心構えだけなら整ってるからな。
流れ的に主人公イキリ問題はとりあえず置いておく事になってくれたので、とりあえず良かったこととする。
「........」
アミネスの急な無言に、カイザンは先ほどの言い分が本音だと理解した。
「.....はいはい、分かりましたよー。俺は後ろに居るだけだから、勝手に遊んで来やがればいいさ」
「当然ですよ」
「じゃあ、わたしに付いて来て欲しいのだーーーっ!!」
急にまたテンションを上げにかかるウィバーナに、二人は思わず沈黙を作りかけてしまう。アミネスと遭遇したミルヴァーニ以外は女神領にテンション高い人が居なかったのが原因だ。
最近はよく、何かと女神領の所為にしておけばよいという心理が働いている。
・・・えっと、なんだ。とりま、ツッコんでおけばいい系か?
「のだーーーって、そんなキャラだったの?」
思い付いたのがシンプルに設定を問い詰める内容だった。
それにはさすがのウィバーナも、
「えっ、にゃんか盛り上がると思って....」
そして、さすがのアミネスもすぐに対応。
「あっ、カイザンさん、女の子に微妙な空気作らせましたね」
しかし、カイザンはそんな口撃一つではダメージ一つ受けはしない。
「素直に謝るから、早く仕切って遊びに行こうぜ」
面倒臭そうに謝っていない謝りを終えると、名乗りを上げたウィバーナに指揮を託す。
「ふふん、じゃあ、王城まで走って行っくよーーー!!」
満足げな表情で微笑んだ後、華麗なステップで二人の前を歩いて行く。
・・・素でそのテンションで居られるとか、異世界って本当凄いな。
日本でも居そうなものだが、身近には居なかったので新鮮だ。
意気揚々と先導するウィバーナに小走りから並走し出すアミネス。二人が仲良さそうに会話をし始める前にこれだけは一つ伝えておきたい。
「っていうか言い忘れてたんだけど、仲間外れ感がとてもと言っても過言でない程にヤバイくらい凄いんだけどどーすんの?俺泣いちゃうかもよ」
「何を言っているのかよく分からないので、聞かなかった事にします」
「にゃら、わたしもそうするー」
・・・見事な連携口撃でアタック&スルーされたな。
下手をすれば自分の地位と居場所がいつの間にか無くなっているんじゃないかとの不安を抱き始めたカイザンである。
ーーーーーーーー、十分後。
カイザンが特に話に入れてもらえる事がないまま歩き続けていると、目標地点が近いのか、ウィバーナがその方向を指した。
続いて、ウィバーナが鼻ですんすんと匂いを嗅ぎ始めたので、真似て匂いを探してみるけど、全然見つからない。
だが、あまり頭が良い訳でも無さそうなウィバーナが完全に場所を記憶していて、尚且つ匂いだけで恍惚とした表情を浮かべる場所なんて....。
「朝飯食べてなかったとはいえ、しょっぱなから匂いだけで腹いっぱいになりそうなパン屋紹介されるなんて予想外だよ、まったく」
目の前には、シャレオツな雰囲気漂う煉瓦造りの建物がある。そこから流れる芳醇なパンの香りだ。
もちろん、案内された場所は商業区の食品街に他ならない。その中でも、手軽に朝食を済ませる場所はここだと、ウィバーナが考えてくれたのだろうか?
「丁度いいじゃないですか。私たちお腹空いてますし。ウィーちゃんに対して素直にお礼を言ったらどうですか?」
「分かってるよー、早速のありがとー。で...ちなみに、ウィバーナは朝食べて来たのか?」
「朝はお腹が空くからそうに決まってるじゃにゃい。もちろん、来たからにはここでも食べるよっ」
「朝飯後にまたすぐ食べるとか、若いうちにやってると簡単にふとっ...ぶぐっ」
自分でも言ってはいけない事だって分かっていても気にせず言おうとしたら、当然ながらアミネスからの先手を受けた。
脳天に降り注いだ衝撃は間違いなくいつものタライ落としだ。本人には言ってないけど、最近は痛みに慣れつつある。いずれは無反応を目指してみたい。
つまりは、演技。
「いってぇなっ!!相変わらずスゴく染みる痛さだよっ」
「予測攻撃です。まさか、女の子に対してその先を言おうとしたなんて、カイザンさんへの軽蔑的驚きを隠せません。隠す気もありません」
心を読まずとも何を言うかぐらい予想できますとでも言いたげアミネスが、誇らしそうに創造機器付属のペンを見せつけてくる。
「パン屋が見えた辺りから何か描き始めたと思ったら、またタライ描いてたのかよ」
「何を言っているのか意味が分かりませんし、分かろうとする気もありません」
「さっきからの言い回しお気に入りか?」
使い易い言葉を見つけられたようなので、これから何度も使われてしまう前に一言言っておく。
お気に入りか?なんて言われたら、さすがに恥ずかしくてこれ以上は使い回せないだろうとの予想。
とはいえ、あのアミネスだ。はい、そうですと言ってきそうな予感がする。なので、この話を早々に終えて次へと移行。
「で、ウィバーナのお気に入りパン屋に来た訳なんだが、俺は何故だか顎が猛烈に痛くてまともに食える気がせんのだが」
「.......」
特に理由のない嫌みは軽くスルーされて、アミネスはウィバーナとともに足早に行列の最後尾に付く。
・・・これからはこういうのもスルーされる時代なのか。...なるほど。悲しいな、俺としては。
若干の傷心を見に受けつつ、ふと匂いを感じてみる。
それが物語っているが、ここのパン屋の人気は凄まじく、二人が並んだ最後尾はかなりの行列の後ろだ。
ウィバーナは待つのはとても苦手だと、言動ととに明かしていたが、アミネスが一緒なら大丈夫だろう。二人とも、楽しそうに話している。
何というか、微笑ましい。この歳でそんな事をしみじみと感じつつも、二人の後を追って行列につく。そして、そこに行列は無くなった。
カイザンが並んだ瞬間に、逃げるように去っていく行列の人々。
・・・...え、あー....。よし。
これについて何か言われるのは少しバツが悪いので、違和感ないように話題を振る。
「数ある店からここを紹介したって事は、ウィバーナの推してる店なんだよな。どのくらい頻度な訳?」
「んぅーー、どうだろう?一週間にしちにゃにゃ回くらいかにゃ?」
「にゃが多くて聞きづらかったけど、どっちも7だろ、そして結局は毎日だろ、それ」
質問にちゃんと答えてくれた事は嬉しいけど、突然のボケなのか天然なのかはやめてほしい。ツッコミしづらい。
「だってだってー、ここのパン職人がほんっと凄いの!!パン作りの技量が高いって有名にゃんだよー」
「へぇー。で、そんなウィバーナの推しパン屋でのおススメはどんなパンな訳?」
「とろけるようにゃ果実がいっぱいのった果物ふんだん盛りパンかにゃー」
「パン作りの技量関係ねぇ!!」
その後、行列を消してくれた怒りと帝王への恐怖心でどういう感情なのか分からない表情をした店主からパンを買い、一行は本当におススメなのか分からない朝食を終えて、次なる目的地を目指すことに。
「じゃあ、次はあっちに行こーーー!!」
食べた直後にも関わらず、勝手に次の場所へと走り出すウィバーナ。
「「えっ」」
同じく、パンを頂いたばかりのアミネスすらも置いて行く快調さを見せた。胃袋にたくさんのパンを消化しつつ...。




