表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インフィニティ・ブルー  作者: 仲仁へび


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/54

第17話 事件の犯人



 ミクルア森林前 小屋付近

 フィリアから頼まれていた用事は済んだ事だし、か弱い少女を連れてこれ以上森を歩く理由はない。


 元々は一日がかりで取り掛かるつもりだったのだが、終わってみればまだ数時間しか経っていなかった。


 さすがのフィリアも、まさかこんなに早くクロード達が依頼を終えてくるとは思わなかっただろう。

 驚いた顔を想像して脳裏に思い浮かべれば、日頃無茶ぶりされている鬱憤も少しは晴れるというもの。


 厄介事は一つ増えてしまったが、それは日常茶飯事なので仕方ない。


 そういうわけでクロード達は来た道を引き返し、ユーフォリアを連れてフィリアの家へと戻った。


 家の前には当然いなかったので、以前渡された合鍵を使って中へ。

 人の気配は無かったがクロード達に押し付けて確保した時間を、他の事に当てようとしていたのだろうか。家の中にはその他の事に向けての準備道具が散乱していた。


 絵具、鉛筆、刷毛に、キャンバス。

 彩色道具関係のものが、床の上にごちゃごちゃと散らばっている。


 まさか、ずっとこのままという事ではあるまい。


「相変わらず汚い部屋だなぁ」


「人の事は人の事」主義であるクロードでも、その部屋の惨状は一言物申したくなるほどだった。

 性格と元職業に似合わず、絵を描く事が趣味であるフィリアは、ありったけの画材を引っ張り出して、散らかす様に設置するから、客が困るのだ。


 一見しただけではとても規則性のある配置には思えないのだが、本人にしか分からない特殊な分類法で並べられているのだろう。

 以前足の踏み場がないと言って片付けようとしたら、雷の如く怒られたのを覚えている。


「フィリアさーん、倒してきたよー」


 イリアが良く聞こえる様に大声で呼びかけながら、家の中を巡っていくが返事がなかった。


 やはり留守の様だ。


「出かけてるのかなぁ?」

「この部屋がこんな状態になってるって事は、そう遠くにはいってないだろうし。すぐ戻って来るんじゃない?」

「そうだね」


 どう見ても、「そうだ絵を描こう」「いや、他に用事があったな。まずはそっちを片付けるか」っていう感じの様子だし。


 だが、その中で違和感が目につく。


「……?」


 何か変だと思いつつも、その違和感の正体がなかなか掴めない。

 眼の前にあるのはフィリアらしい、よくある部屋の様子なのだが……。

 それに気づいたのはイリアだった。


「あれ、この資料」

「どうしたの?」


 声を上げた彼女の方を見ると、何かの調べ物でもしていたのかその時のままになって書物が散らばっているテーブルがあった。


 イリアはその中の一つに目を通して首を傾げている様だ。


「見た事あるなって思ったの。どこだろう」


 そう言ってイリアが見せてくれるのは、治安部隊で導入されているという機械。


「もしかして、昨日見た奴なんじゃないの?」

「あ、そうそう。そうだよ。あーすっきりした」


 喉の奥の魚の骨が取れたような顔。

 試しに言ってみた言葉にイリアは躊躇いもなく頷いた。

 適当に言っただけだったと言うのに、まさか当たるとは。

 しかし……。


 そこから考えを発展させようとしない彼女に告げるのは、あの出来事について。


「ちょっと、待ってイリア。その機械、昨日見たって事は、爆発の犯人って」

「あ……」


 この家の中にいるには珍しい、無言の空気が満ちる。

 治安部隊の機械がいたという事は、つまりはそういう事になるのだ。


「でも、そんな事。何かの間違いかもしれないよ」

「……そうかもね。まだこれだけじゃ、確信はもてないか」


 急いて真相を求めても仕方がない事だ。

 疑惑は残るが、それに関しては、一旦置いておこう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ