プロローグ2
動物好きな方、すいません。猫好きな方本当に、すいません。ちょっと、嫌な表現があるかもしれません。
俺の名前はクォーツフィル。野良猫だ。すげぇ名前だろ。何で、野良にこんな御大層な名前が付いてるのかって言うと、元野良猫であり、元飼い猫でもあるからだ。正確に言うと、野良猫→飼い猫→野良猫って言う順になったんだけどな。
始まりは飼い猫だった母猫が、他所で子供を作ったことからだった。ちなみにその子供の一匹が、俺である。母猫であるサーラは、猫や犬にする虚勢手術っつーのをしていない。いや、サーラはメスだから注射か。ただ、俺達からすれば、自然の摂理っつーのを無視してるってことは、どーかと思うが、まぁ飼えなくなるよりかはまだ良いのか?まぁそう言うわけで、妊娠がわかった時点で捨てられた。その先で、俺を含む兄妹達が生まれた。姉一匹、兄一匹、俺、妹一匹である。
それからが大変だった。縄張り争いや天敵、雨や雪による寒さや餓えなど、色々なことが。まず、姉。生まれた時から身体が弱かったらしく、生後4日で死んだ。まぁ身体が弱くては自然界では生きていけないので、仕様がない。次に兄。兄は性格が穏やかで、俺や妹のことがほっとけなかったらしい。カラスに襲われた妹を庇って死んだ。生後半月のことだ。次に母。母は縄張り争いでおったキズが元で死んだ。俺達が生後半年のことだ。その後俺達は、近くを偶然通りかかった老夫婦に拾われた。
俺達は少し人間不信に陥っていたが、老夫婦、遥香さんと彰文さんは、こっちが不思議に思うくらい良くしてくれた。たとえこちらが引っ掻いたり、噛み付いたりしても、見捨てたりしなく、可愛がってかれた。俺達はこの二人を大好きになっていた。
名前の方は、二人の孫夫婦が遊びに来たとき付いた。妹は、クイナだ。俺達はこの二人の所に、三年くらい居た。楽しい日々だったが、二人は死んだ。老衰らしい。妹は孫夫婦に引き取られた。そして、俺は野良に戻った。引き取られても良かったが、二人の所が余りにも居心地が良く、上書きされるのがイヤだったからだ。
その後も色々とあったんだか、まぁ、後々分かるだろう。
んで、俺は事故に遭った。反対側に行こうと道路を渡ったら、デカイのが左から来た。これで自分の猫生が終わるのかと思ったら、ちょっと、情けなくなった。辛いこともあったが、最後は良いこともあった。あの二人には本当に、申し訳ない終わりになりそうだ。デカイのが迫ってくる。いよいよかと、思っているとふと、体が暖かくなった。そちらの方を見ると人間に抱き抱えられていた。
(なっ!)
何で抱えてるんだ。俺はもう死ぬんだぞ。それなのにと、パニックになりながらにゃ~にゃ~鳴いた。
(離せっ!巻き込まれるぞっ)
そう思いながら、悲鳴を背に意識を手放した。
こうなりました。
嫌な思いをしたかもしれません。
でも、多分次からはないので。
保証はしません。