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21話 ヨハン様、エルザ腹が立ちました!


エルザはそれから訓練場に入り浸るようになっていた。憧れの勇者になりたいという思いは決して捨てないが今の僧侶という立場にも決して目を背けずに己を磨く事にした。


ヨハンが起きる前にヨハンの食事を一通り作りヨハンに心配を掛けまいと訓練場に行ってきますと置き手紙を置いて。


本人は全く心配などしておらずエルザがいない間は修行も何もなくて寝て過ごせるのでもう最高と思っていた。飯は与えられるし宿屋の支払いもエルザなのでこれはもうヒキニートと言っても過言ではないだろう。


他の僧侶候補はエルザと違いもともと目指していたか普通に出来るからという者が多くほとんどがエルザより技能が上だ。


なので最初はてんでだったがエルザの持ち前の頑張りでなんとか技能は向上していった。もともと魔法があまり得意ではないがエルザは才能という点では恵まれているので苦手なものでもた要領さえ掴めばそれなりに出来る。


訓練場に通い4日目が過ぎた頃には攻撃強化魔法、防御強化魔法、解毒魔法などの様々な補助魔法は効果は申し訳程度だが習得した。


エルザは意気込む。少しは出来るようになったかな? これならば、微力ながらみんなの役に立てます! とは言ってもヨハン様と私しかおりませんがそんな事はどうでも良いのです、こんな私でも僧侶として多少はマシになれました!と……



すると隣の僧侶から声を掛けられた。


「いやはや、大したものだ。最初に来た時はろくに使えなかった補助系魔法をよくもこの短期間で使えるようになったものだ」


「いえ、使えるには使えるようになりましたがまだまだ実戦的なものではありません」


「君は見た所僧侶や魔法使いタイプではなさそうなのにそれだけ使えれば立派だよ、胸を張りなさい」


フフッ、褒められちゃった。もう少し頑張ればヨハン様もやる気を出してくれるだろうか?


うん。それはないですエルザさん。むしろならもうエルザ1人でいいじゃんとなるのがオチです。


そしてさらに3日、エルザの技術は更に上がり及第点まで達しようとしていた。


エルザはウキウキでその次の日は宿屋に引きこもるヨハンを誘い外で昼食を取った。エルザはヨハンに見せたい物があると言って内緒で訓練場に行くようにヨハンを誘導する。


そして下心丸出しのヨハンは何をしてくれるんだろうとまんまとエルザの思惑通り訓練場に誘導されるのだった。


「エルザ、ここって……」


「はい! 訓練場です!今日はヨハン様にエルザが成長した事を見せたいと思いまして」


「うへぇ……」


「ええ!? ヨハン様!」


見事に期待を打ち砕かれたヨハンが落ち込んだ。てっきりエルザの成長したにあららな姿でも見せてくれるのかと期待していたのだ、そんな事エルザに限ってあるわけないだろうに……


嫌がるヨハンをなんとか訓練場の広場に連れて行きエルザが少し緊張しながら喋る。


「オホン! それでは行きます! ストレンジブースト! 続いてディフェンスブースト!」


するとヨハンにエルザがかけた強化魔法が施された。


ヨハンがキョトンとしてこれは?と聞くとエルザは満面の笑みで答えた。


「これからヨハン様を更に助けられるように私は僧侶としての自分を鍛えました、ヨハン様に言われ自分を見つめ直しました。ですからヨハン様……」


「おー!こんな所に良さそうな僧侶ちゃん居るじゃない、ちょうどここで仲間でも集めようと思ってたんだ、俺のパーティに入らない?」


エルザが言い終わる前にエルザに話しかける声が言葉を遮った。見た所ヨハンと同じく勇者みたいだ。


なんだ!?こいつ、ナンパか? 俺のエルザたんだぞ!


「え? あの私ちゃんとパーティ組んでますし他の方とは……」


「パーティってこいつ? 他の仲間は?」


「いませんけど?」


それを聞いた途端男は大笑いしていた。その態度にエルザは少しムッとする。


「マジで? 2人だけでやってきたの? しかもこのショボそうな勇者と?悪い事言わないから俺の所へこいよ?ちょうど僧侶抜けたとこなんだよ、な?」


その言葉にエルザはついにカチンときた、ついでにヨハンも自分をバカにされ心の中でカチンときた。でも怖そうなのでヨハンは心の中で罵倒するだけだった。


『うひゃー、情けないにゃ』


うるせぇ! だって痛い目にあったら嫌だし。


だがエルザはヨハンをバカにされて心の中でだけなんて済ます事は出来ない。


「見た所貴方は勇者様ですよね?勇者様たる者は他人を見下し公衆の面前で人を笑い者にするような事は致しません! 貴方は勇者様失格です、私はそのような方とパーティを組むつもりはありません!それにヨハン様はあなたなんかよりずっと立派です」


『エルザもエルザで矛盾だらけにゃ、勇者失格のこいつをいつも見てるくせににゃあ。言ってて自分で気付かないのかにゃ?』


おい! 他の奴の悪口はいい、だが俺の悪口は許さん!


本当こいつこそ勇者失格である。


「あ?そこまで言うならそこのそいつは大層立派な勇者様なんだよなぁ?だったら俺と勝負させろよ? それで俺が勝ったらお前は俺のパーティに入る、負けたら諦めてやらぁ」


「そ、それは……」


ひえぇぇぇえ! 1番嫌な展開キタコレ…… どうしようどうしよう!? しかもこいつに負けたらエルザたん取られるの? てか何勝手に決めてんの? これだから体育会系のノリは嫌なんだよぉおお!


体育会系のノリってそんなんなのか?と逆に聞きたい。


「どうするよ? 受けなきゃこいつも大した勇者じゃないって事だよなぁ!」


「んなっ……ヨハン様はあなたなんかよりずっと素敵です!それにヨハン様は負けません!」


『うにゃー、焦れったい奴だなぁエルザも』


てかエルザたんなんでそんな事言っちまうんだよ!?俺逃げられないじゃん?あいつ超怒ってるじゃん、間違ったふりして殺されそうじゃん!?た、たしけてぇ……


『僕も居るし大丈夫にゃ、ヨハン君僕のお陰で随分パワーブーストされてるにゃ。それに加えてエルザの強化魔法もかけてもらったばっかりにゃ。楽勝にゃ』


お、おう!なるほど!そういえばそうだった。ははは!恐れる事は何もないじゃないか!


するとエルザが怒りを露わにしながらこちらにきた。エルザがヨハンの手を取り自分の胸に当てた。


うひゃー、エルザたんが痴女になった、最高!


揉み揉みとエルザの胸を揉むヨハンの体に力が漲る。


「あ、あのヨハン様、こんな事になってしまってごめんなさい…… で、でも私ヨハン様の事バカにされて許せなくて、それにヨハン様は凄い人です! 私ヨハン様を信じております!」


「フフ、フハハハハッ!任せろエルザ、あんな奴赤子の手をひねるようにサクッと片付けてくるさ」


さぁてまた負けフラグ一級建築士のヨハンはまたもかませのようなセリフを吐きその男のもとへ赴くのだった。




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