希望は今日の糧となる
よろしくお願いします。
魔術の世界とはこうでなければ!と書き殴り帳として彼を虐めていきたいと思います。
プロットを全く書かないで見切り発車なところがあるので、温かい目でお付き合いお願いいたします。
佐藤友宏は、夢を諦めていなかった。
現実ではないと知りながらも、自分の中に留めて、密かに期待しながら日々を過ごしていた。
マヨネーズ、黒色火薬、紙、時計、簡易顕微鏡、刀の作り方。
血抜き、革のなめし、火おこし、気化熱を使った冷却の方法。
小麦、大豆、ジャガイモ、ニンジン、タマネギの育て方。
そんな、通常のサバイバルから逸脱した知識を貪っていた。
そう。佐藤友宏は小説の中の異世界に飢えていた。
剣と魔法のファンタジー。
ドワーフにエルフ、獣人に人魚。
妖精に精霊、ドラゴン。
傷が忽ち塞がる不思議なポーション。
ミスリル、ダマスカス、アダマント、オリハルコン、ヒヒイロカネ。
ダンジョンと冒険者。
そして何より神から授かった加護。
佐藤友宏はファンタジーに浸りたかった。
言ってはなんだが、俺TUEEEEEがしたかった。
特にこの世では恵まれていないとは言えないが、飽き飽きしていた。
「いらっしゃいませ」
いつも雑誌を読んで暇をつぶすおじさんが来店した。毎日変わらず、入れ替わり激しい中で、レジ打ちしながら現実逃避をしていた。
「お次のお客様どうぞ」
「お願いしまーす」
ピッと軽快な音を鳴らして料金が表示される
「お弁当温めますか?」
「お願いしまーす」
「530円になります」
弁当をレンジで温めに行き、会計を済ませる。
「こちらお釣りとなります。お次のお客様どうぞ」
「……。」
「108円になります。ビニールにお入れしますか?」
「いりません。」
「ちょうどお預かりいたします。ありがとうございました」
弁当が温まったので取りに行く。
「お待たせいたしました。ありがとうございました」
流れ作業でお客さんを捌いていく。こんな時は、バトルロイヤルのシミュレーションするに限る。
「お次のお客様どうぞ」
「お願いします」
「260円になります。ビニールにお入れしますか?」
「あっ、うぅ…」
フェイントをかけられた。なかなか手強い相手だ
「お願いします…」
「こちら、お釣りとなります。……ありがとうございました。お次のお客様どうぞ」
突きから始まったこのシミュレーションは、凪ぎ、払い、一度受け止めてはじき返してから、敵の頭上を宙返りしての兜割りと、実際の運動神経よりだいぶ派手めな動きをし、いよいよ生き残りの一人となった。
「お次のお客様どうぞ」
「わかば」
「360円になります。ありがとうございました。」
今日も、変わらない1日であった。
想像で書いた仕事姿って、なんか実際に働いてる人から見ると巫山戯てるように見えますよね。
これで表現力は限界なんです。タバコの値段なんて知らねっす。
異世界ファンタジーなので、大目に見てください。