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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
文化祭
97/423

ステージ

今回もまあ長いです。

【みなさん、おはようございます。これから、北原中学校文化祭を始めます】

パチパチパチ……

文化祭の司会は、毎年2年生リーダーがすることになっているので、司会は茉莉花だ。

「みなさんおはようございます。吹奏楽部です。私たちは、1年生21人、2年生18人、3年生16人の計55人で毎日楽しく活動しています」

茉莉花が笑顔で喋る。

「今日は、このメンバーでの最後のステージ。精一杯頑張りますので、最後までどうぞよろしくお願いします!」

と、頭を下げ、拍手がおこった。

「さて、1曲目にお送りする曲は、みなさんご存知だと思われる、あのアニメの名曲をメドレーにしたものです。各楽器のソリにもご注目ください!それでは、どうぞ!」

と、ノリの良いビートで始まった。

トランペット7人が立ち上がり、鋭い音を投げ飛ばす。

途中からトロンボーンとサックスも立ち上がり、

ジャズのようなソリになった。

計19人が座ると、今度はウインドチャイムで静かになり、ゆっくりな曲調へと変わっていった。

トランペットとトロンボーンがメロディーの掛け合いをし、1曲目は終了した。



----------

「さて、4曲目は、あのドラマでも使われたおなじみのあの曲を、ジャズ風に、in swing versionでお届けします! この曲では、本日をもって引退される3年生全員がメロディーやソリをします。1、2年生は、3年生の先輩方をしっかり支えれるよう、全力で頑張ります!それでは、どうぞお聴きください!」

ベースがプンプンと四分音符をならす。

クラリネットのソロが始まり、トロンボーンの2人が前に出て来た。

フルートの連符が重なり、跳ね上がるテナーサックスの音で四分休符。その休符で、桜が一気にブレスし、ハイトーンでソロが始まる。高らかに響く、そのソロは、凛奈の心に強く響いた。チューバが唸るような音を出す。

ドラムとマリンバがソリをする。

最後に3年生全員でメロディーを吹いて終了した。

拍手が巻き起こった。

その時、1、2年全員と心が揃った。

『いまだ!』

〈♪♪〜♪ー〉

ユーフォの音がかすかに聞こえる。茉莉花のソロだ。

3年生全員が振り向いた。

全員で演奏する。曲名は、〔Wings fly to the world〕だ。

そして、フルートパートがマイクを持って立ち上がった。

【遥先輩、椎奈先輩。いつも優しくて、丁寧に私たちに教えてくれて、とても嬉しかったです。大好きです。ありがとうございました!】

フルートパート4人が礼をした。

2人は涙で濡れた顔で4人を抱きしめ、4人は遥と椎奈に花束を渡した。


---------

ついに、トランペットパートの番になった。

【桜先輩、紗江先輩。いつも笑っていて、とても音色が綺麗で、私たちの憧れの先輩です。本当に、本当にありがとうございました! 来年は、絶対に関西にいきます!】

トランペットパートの5人が深く礼をした。

桜だけでなく、紗江も涙を見せた。

1年生が桜に、2年生が紗江に花束を渡した。



最後に、茉莉花が、リーダーとして、次期部長として前に立った。

【3年生のみなさん。……っ、ほ、本当にいままでありがとうございました。先輩方が引退したら、次は私がみんなを頑張って引っ張っていきます。

先輩方は、いつまでも私たちの憧れです。本当に、本当にありがとうございました!】

茉莉花が泣きながら深く礼をし、自分の席に戻って演奏した。

サプライズが終わり、予定通りに進んだ。

「さて、最後の曲は、輝夜姫〜月の輝き〜を全員で演奏します。私たちの演奏を最後まで聴いていただき、本当にありがとうございました!」

また茉莉花が深く礼をした。

静かな和音から、いつものように紗江のソロが始まった。

これも、今日で最後なのだ。

千郷が琴を弾き、凛奈のソロにまわる。

コンクールのとき。あの時を思い出しながら、高らかに吹く。

フルートのハーモニーが講堂に響き、遠くなって、消えていった。

そして、全員が立ち上がった。

「ありがとうございました!」

唄華が涙を流しながら最後の号令をかける。

「「ありがとうございました!」」

全員が礼をした。

大きな拍手が講堂に響いた。

発表会は大成功だった。



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