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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
文化祭
94/423

荒れる2年生ミーティング

覚悟してくださいませ皆さま。

今回めっちゃ長いです。本気で長いです。

いままでで1番長いかもです。

今回の主人公?は茉莉花です!



2年生メンバー

flute

・大野 夏帆(かほ)

・橘 深海(みう)

oboe

・小河 伊織

clarinet

・矢賀 鈴音

・本田 和音

alto sax

・藤森 奈津

bassoon

・一塚 颯人(はやと)

・鹿島 風香

trumpet

・濱田 杏

・魚野川 早苗

horn

・天野 ユリカ

登坂(とさか)綾乃

trombone

・海内 蒼

bass trombone

・佐塚 風馬

euphonium

・泉 茉莉花

tuba

・三野 ノノカ

percussion

・早坂 優香

・青崎 穂花(ほのか)

「ノノカ、もう1回同じこと言ってほしい」

茉莉花が教卓に手を置く。

「やる気が見えない。人前でする演奏じゃない」

始まったミーティング。

いきなり凍りつくような冷たい言葉がノノカの口からこぼれ落ちた。

「頑張ってると思う」

和音は遠慮がちに話す。

「自分のパートの子だから言える」

「そうだよ、ノノカは自分のパートの子しか見てないんじゃない?」

うっとノノカが言葉を詰まらせる。

チューバとユーフォは同じパートだ、確かに少し喋ってしまうことが1年生にある。うちのパートだけだろうか?しかし、他のパートの1年生と喋る事がある。

前で指揮をしていても、たまにどこ見てるの?と言いたくなるような子はたくさんいる。

まだ入って半年なんて関係ない、ノノカはそう言いたいのだろう。

だが、それを口に出した自分はどうなのだろう。

1年前そんな雰囲気を見せていたかもしれない。

そして今、リーダーとしてそう口出しすることは出来ない。

ノノカは誰にもわかってもらえなくて可哀想だが、リーダーとしての自分を守るには黙っておくことを知っている。

「うちのパートも、正直完全に抜けてるなーってことはあるよ」

そう言ったのは風香だった。

「あんたのところは1人じゃん」

ダブルリードパートは藍1人だ。

むすっと不満を口に出したのは鈴音だった。

「いいよね、1人って楽そうで」

「! あんた」

さすがに伊織も黙ってられない。1年生の藍をお荷物扱いされたから。

「あーごめん、今のは言いすぎた」

鈴音はあせあせと笑う。

話さない奴もいる、威嚇ばかりしてる奴もいる……。

イライラして、最悪の状況だ。もう解散してしまったほうが気が楽なのかもしれない。

「合奏、前から見ててどうだったの?茉莉花」

「えっ、あ、うん。……」

考えていると、耳にかけた髪がさらさらと落ちてくる。

「リーダーなのに意見もないわけ?」

その一言の矢が、茉莉花の心に刺さった。

意見はあるけど……言えない。

「私が意見言ったら、みんなどう思うの? 権利悪用だと思う? この部がよりよくなるために言ったつもりでも間違ってたらみんな怒るでしょ?」

「それはさ……」

失言する。リーダーはそんな恐怖があったのか。

「私はさ、こんな言い合いじゃなくて、話し合いでこの学年を良くしようと立候補したよ。でも、無駄になったんじゃ……先輩方も引退されたら部長なんてできるわけがない。ごめん、時間の無駄だったよね。もう解散しよ」

「でも」

「1人にさせて……お願い」

疲れきった顔に、ノノカもその他の部員も驚いていた。

「わかった。茉莉花はここでゆっくり考えてよ。あたしたちも考えるから」

奈津が、隣の綾乃の手を引いて退出した。

ぞろぞろとそれにつられて教室を出る。

奈津は、やっぱり行動力と説得力がある。

自分なんかよりもよっぽどリーダーに向いているだろう。

「はぁ……」

教卓に腕を置き、顔を埋めた。

片付けが終わり、茉莉花はなんとなくぼーっとしていた。

『なんで、こんなことになったんだろう。やっぱり私がしっかりしていないからだよね。ほんっと私ってバカだなぁ』

イスに座り、ため息をついた。

ガラッ!

ドアが勢い良く開いた。

「泉!」

「え、小林先生……」

そこには、息を切らした小林が立っていた。

茉莉花は慌てて立ち上がった。

「……どうしたんだ?」

「え、」

「さっき、2年全員俺のところに来た」

「え、そうなんですか」



「……そうか。そんなことがあったんだな」

「……はい」

茉莉花は小林に全てを打ち明けた。

「ちなみに、お前はどう思ってんだ?」

「……、私は、リーダーだからみんなの意見をまとめないといけないって思ってて、」

「自分の個人的な意見は言う必要がないってことなのか?」

「……はい。リーダーだけが権利を持っているみたいになるので」

茉莉花は俯いた。

『やっぱりいつまでたっても先生と話すのは緊張するな』

「でも、たまにはリーダーでも個人的な意見も言わないといけないんじゃないか?」

「え、」

「みんなの意見ばかり聞いていたら、自分の心が見えなくなるからな」

「……個人的な、意見ですか」

「お前は、もう1回考えてみろ。もう戻っていいぞ」

「え、……はい。失礼します」

茉莉花は深く礼をして、教室から出て行った。

「私の、意見は、」

茉莉花はそっと声に出してみた。

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