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初めて言われた言葉
音のした方を見ると、2年生チューバの三野 ノノカが立っていた。
「ねぇ、1年さ、やる気あんの?」
「ち、ちょっと、ノノカ。何言って……」
茉莉花が焦ったように応えた。
「確かに半年しか一緒に活動してないよ!? だけど、時間なんか関係ないじゃん!?」
「何が言いたいの?」
鈴音がまっすぐノノカを見つめた。
ノノカは俯いた後、顔を上げて叫んだ。
「なんなの!? 今の演奏! とくにクラ1年!」
と、百華と菜穂がビクッと肩を震わせた。
「2人とも完全に2年2人の音に頼りすぎだよね? それに、光里ちゃんは先輩引退したらバスクラ1人なんだから、そんなんで木管支えれると思ってんの?」
「おい三野!」
蒼がノノカを止める。
「そんな……!ももちゃん菜穂ちゃんと光里ちゃんも必死でやってるよ……!」
涙を流し訴えたのは2年クラリネットの和音だった。
「ちょっとノノカ。それはちょっと言い過ぎよ」
ユリカも立ち上がり、反論する。
「……2年全員、緊急ミーティングをします。3の4に集合してください」
茉莉花が暗い顔で言った。
「……はい」
「はい……」
バラバラと返事をし、次々に2年生が音楽室から出て行った。
「うっ……うぅ〜」
泣いている1年生。
凛奈はなにもすることができなかった。




