不満
「ねぇマイ、どうしたの?」
聞きにくいが、何か問題があったなら聞かないといけない。
「えっ、やだ、私顔に出てた?」
「うん。何かあったの?」
と、マイははぁっと大きなため息をつき、俯いた。
「どうしたの?」
「あんまり言いたくないんだけど……、さっき凛奈が話している時に隠れて画用紙切ってる人がいた」
「う、うそ」
凛奈はショックを受けた。
「せめて切るんだったら隠れてコソコソやらずに堂々と切りなさいよ! って思うんだよね。私はそういうの卑怯ってゆーか、ひねくれてるってゆーか……凛奈? どうしたの? 顔真っ青だよ?」
と、顔をあげた。
「えっ!? う、ううん。そっか。そんな人いたんだ……」
「それだけじゃないよ……」
と、誰かの声が聞こえた。
「え!? な、菜穂っちかぁ……。びっくりした〜」
と、教卓の前に菜穂が立っていた。
「いつからそこにいたの?」
と、マイが言う。
「ずっといたよ……。気づかなかった……?」
「う、ううん! 他に誰かいるなー、とは思ってたよ!」
「……そっか」
「あ、そうそう、それだけじゃないってどういうこと?」
と、凛奈が聞きなおす。
「実はね、凛奈ちゃんが話している間、喋ってる人がいたの……」
『うそ……』
ショックが積み重なり、凛奈は近くのイスに座り込んだ。
「……大丈夫?」
「うん。ねえ、2人とも、」
「ん?」
「なぁに……?」
「ぶっちゃけ、それ誰?ここだけの話」
と、マイと菜穂は顔を見合わせ、戸惑った様子だったが、
「私が言ってたのは美奈っち」
「私は美鈴ちゃんと由紀ちゃん」
と言った。
「……そっか」
3人は黙り込んだ。
「美奈っちと美鈴、それにゆっきーかぁー」
「……ねぇ、今私たちが話してること、本人にバレたらマズイかな」
「そりゃそうでしょー」
「うん……。揉め事になると思うよ」
「うーん……。ちょっと様子見てみる?」
「そうだねー。明日また何かあったら言ってね。菜穂っちも」
「うん……。わかった……」
そう言って、3人は教室に戻った。




