藍の気持ち
凛奈と、最近喋らない。て言っても、3日ぐらいだけど。
初めて喋ったとき、あれはちょっと不自然だったよね。
私は、初めてお姉ちゃんが演奏したのを聞いて、私もトランペットをやりたいって思った。お姉ちゃんの
吹くトランペットは、ちょっと不器用というか、なんというか。だけど、お姉ちゃんが吹いてる姿は、カッコ良かった。私の憧れ。
だから正直、凛奈がトランペットになった時は嫉妬した。実力不足だったのは仕方ないと思っている。
だけど、凛奈は経験者だからトランペットになれたんだ。
だけど、話してみると案外楽しかった。フレンドリーで、親しくしてくれた。だけどやっぱり、たまに私もトランペットが良かったなぁって思うけど。
なのに、こないだ話しかけたら、凛奈は私の事を避けた。何か悩んでいるのなら聞いてあげたい。
お姉ちゃんなら、何か知っているかなと思って聞いてみた。お姉ちゃんは、私が第一希望がトランペットだったことを凛奈に言ったらしい。お姉ちゃんのバカ。
凛奈は希望に入っていなかったのに。そんなこといったら余計傷ついちゃうから。私は凛奈に、学校の門の前に来て、って電話で言った。ちゃんと凛奈の気持ちを聞いて、自分の気持ちを話そう。
「お母さん、」
「なぁに?」
ご飯を作っている途中のお母さん。
「あのね。友達とすれ違ったんだ。すぐ帰るから、行ってきてもいい?お願い」
「わかったわ。すぐに帰ってきいや」
いつも夜の外出を許してくれないのに、お母さんはわかっているかのように許してくれた。嘘ついたのに。
「ありがとう! お母さん!行ってきます!」
行こう。早く。凛奈の所に。