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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
吹奏楽部の恋愛事情
74/423

双子の恋バナ

「ただいまッ!」

凛奈は帰ってくるなり、二階へ上がってベッドにダイブした。

『私、先輩と付き合うことになったの!?』

と、ボブボフと足をベッドに叩きつける。

そして一度冷静になり、

「そっか。私も先輩のこと蒼先輩ってよんでるんだから、凛奈って呼ばれてもおかしくないよね」

と、ポツリと無意識のうちに声に出ていた。

「なに、さっきからうるさいんだけど」

「え!? あ、朝緋!? 部活は?」

朝緋は隣のベッドで寝ていた。

凛奈と朝緋の部屋は共同だが、カーテンで仕切られている。

「早退。熱でた」

火照った顔で朝緋が水を飲む。

「顔真っ赤じゃん。待ってて、薬持ってくる」

と、凛奈は立ち上がった。

「凛奈、」

「なに?」

「お前、先輩と付き合ってんの?」

いきなりの言葉に、凛奈は赤面した。

「ななななにいってんの!? 」

「顔に描いてある」

「嘘つけ!」

と、凛奈が朝緋に聞く。

「朝緋は好きな人とかいないの?」

「は!?」

「いるの?」

凛奈がずいずいと問い詰める。

「……いるよ」

「ふーん」

「は!? 好きな人いるって言われてふーんておかしくね?ゲホゲホッ……」

朝緋が咳き込む。

「ほらー。あんた風邪ひいた?」

「いま夏だっつの」

「夏でも夏風邪ってあるんだっつの。ほら、おとなしく寝てろ」

と、薬袋を朝緋に向かって投げた。

「おい、凛奈」

「なにー? まだなんかあんのー?」

「結局先輩と付き合ってんの?」

「……うん」

「……そっか」

「ねぇ、朝緋の好きな人教えて?」

「ムリ」

即答だった。

「マイ、だったりして」

「……、そうだけど」

「え!? マジで!?」

「……おう」

朝緋はさっきよりも顔が赤くなっていた。

「ふーん」

「父さんと母さんに言うなよ」

「私のもね」

こうして双子の恋バナは終了した。

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