対決
次の日の昼休み。
凛奈は食べ終わると、すぐに鈴音のところへ向かった。
「きゃははは!」
「うそー」
鈴音のいるグループには、女子たちの楽しそうな声が聞こえた。
勇気を振り絞って、声を出した。
「す、鈴音先輩! お話があります」
「なぁに? 話って」
「あの、蒼先輩の事なんですけど、」
「……なぁに?」
今度は音楽室から遠く離れた階段の踊り場で2人で話した。
「私も、蒼先輩のことが好きなんです」
「……ねぇ、聞いてもいい?」
「は、はい」
「なんで"海内先輩"から"蒼先輩"に変わってるの?」
「……蒼先輩本人が、そう呼んでって……」
と、顔をあげて、鈴音の目を見た。
「私は、蒼先輩と付き合いたいです!」
「……は?」
鈴音の低い声が階段に響いた。
「蒼先輩に告白されたんです。私は……」
「言ったよね? もう蒼くんに近づかないでって。」
凛奈はまたうつむいた。
「……それは」
「先輩の言う事が聞けないなんて悪い子だね〜」
「それでも、私は蒼先輩のことが好きです!」
パンッ! 鈴音は凛奈の頬をたたいた。
「ねぇ、鈴音が言ってること、わかる?! 聞こえてる?! 蒼くんは鈴音のものなの! それをあんたが途中から奪った!」
「それでも、蒼先輩が選んだのは私です!」
赤く腫れた頬をおさえ、鈴音の目をまっすぐ見た。
「はぁ……」
鈴音はいつもの目に戻った。
「もういい。あなたにあげる。じゃーね」
と、つかつかと「もう鈴音蒼くんいらなーい!」と言いながら音楽室に戻って行った。




