勉強会!
『広い……』
蒼の家は、近隣の家と比べても、とても大きな家だった。
「あの、お母さんとか、」
「あぁ、今日は2人とも帰ってこないから大丈夫」
「……なんの仕事ですか?」
「父さんはカメラマン。いま北海道に行ってる。
母さんは看護師。今日は夜勤だって」
玄関にはたくさんの家族写真や幼い蒼の写真が飾られていた。
「そうなんですか。うちも共働きなんです」
「へぇー。そういえば香坂って双子だったよな」
2人は階段をのぼった。
「はい。弟、西野中に通ってるんです」
「ふーん。俺、妹いるんだ。今小6。あ、ここだよ」
蒼の部屋は、いたってシンプルだった。
「あ、そこらへんに座っといて」
「は、はい」
なんだか落ち着かない。
なぜか体育座りした。
「おまたせ」
蒼は、ドサッとたくさんの本を机に置いた。
「えーっと、例えばだな、俺とお前が話していて、
お前が『私は』といったら一人称だ。『あなたは』って言ったら二人称だ。ここまではわかるか?」
「は、はい」
蒼は凛奈に英語の三人称単数の説明をしている。
「んで、お前が『彼は』とか、『小林先生は』って言ったら三人称だ。だから、例えば、そうだな。『池田先生はフルートを吹きます』だったら、
Ms Ikeda plays the flute.ってこと。三人称単数になったら動詞にsがつくんだ。……もちろん動詞ってわかるよな?」
蒼は、図に描いて説明する。
「うーん……」
「動詞ってのは、playとか、haveとか。じゃあ一人称単数のbe動詞は?」
「amです」
「二人称は?」
「areです。」
「三人称複数は?」
「isです」
「ぶっぶー!お前引っかかったなww」
「え、え?」
蒼はケラケラと笑う。
「お前が言ってるisは三人称単数!三人称複数は『彼ら』とか、『彼女たち』だからareなんだ」
「そ、そうなんですか……」
「一人称複数は『私たちは』だからareだったろ?」
「え、それじゃつまり、複数系のbe動詞は全部areだってことですか?」
「まぁ、そういうこと」
「じゃ、そろそろ終わろっか」
「は、はい。ありがとうございました」
「よく頑張りました」
と、またいつものように頭に手を乗せた。
「……あのさ」
「は、はい」
「俺と付き合わない?」
「……へ!?」




