気が重い……
〈ちょっと! あんたなんでそれ私に黙ってたの!?〉
「うぅ……。ごめんなさい……」
その日の夜。凛奈は巫愛と電話をしていた。
〈にしても、鈴音先輩……悪魔だね……。百歩譲って魔女だよ〉
「うーん……」
〈鈴音先輩がいないとこで話してたらばれないと思うけど〉
「そうだよねー。あ、先輩の家に行ってもバレないかな?」
〈ちょっと! それも聞いてないよ! てか、男子の家に1人で行くの!?〉
「うん……。勉強教えてもらう」
〈うーん……、ビミョーだね。海内先輩本人から言わない限り、だね〉
「うぅ〜。嬉しいのに気が重いよ〜!」
〈ま、でも告白のチャンスかもね〉
「こっ、告白!?」
〈あー、でも、鈴音先輩からいろいろ言われてるからムリだね〉
「そっか……」
蒼が好き。なのに告白できないと分かって、少しホッとなった。
気が重いまま、言われた通り駄菓子屋に来た。
蒼はまだいなかった。
『なんか買っていこうかな……』
そう思い、駄菓子屋の方を向いた。
すると、凛奈の頬になにか冷たいものが当たった。
「ひゃあ!?」
「よっ。ほら、アイス」
「あ、ありがとうございます」
蒼の私服姿は初めてみた。
「海内先輩、お家にお邪魔しても大丈夫なんですか?」
「あー、あのさ、ずっと思ってたけど、海内ってなんか堅苦しいから、蒼でいーよ」
2人はアイスを食べながら歩いた。
「あ、はい。蒼先輩」
なぜかすんなり言えた。
蒼の家についた。
「おっきい……」
ポツリと口にでてしまった。
「はいっていーよ」
「お邪魔しまーす……」




