怪我
翌日。部員たちは外周をしている。
「わぁっ!」
ドサッ。凛奈がつまづいて転んだ。
「いったたた……」
「どうしたの?」
「凛奈大丈夫?」
「足首痛い……」
「血出てるよ!」
「なに? どーした?」
蒼が部員たちの群れを覗き込んだ。
「蒼! ちょうどよかった! 凛奈保健室に連れてってあげてよ」
2年生の先輩が言う。
「えー? 俺?」
「いいからはやく! 私が先生に言っとくから!」
バンっと早苗に背中を叩かれ、
「えー、わかったよ」
と、蒼は凛奈を軽々と持ち上げた。
「え、海内先輩!?」
「ん?だってこうじゃないと運べないだろ?」
「す、すみません……」
他の男子がニヤニヤしながらこちらを見ている。
『恥かしい……』
2人は保健室に向かった。
「んー、あと少し」
「すみません」
「おまえさっきからすみませんばっかだなww」
「なんで笑うんですか!」
「あ、あとさ、お前意外と重い!」
「やめてくださいよ〜!」
と、凛奈が暴れた。
「わっ! 嘘だって! 悪かった! 悪かったよ!」
「もう〜!」
凛奈が顔を真っ赤にする。
「失礼しまーす。先生いますかー」
シーン。
「なんだよ。またいないのか」
保健の先生は野球部なので、夏休みは鍵を開けたまま部活へ行く。
「そっちのイスに移ろっか。立てるか?」
「あ、はい。大丈夫です」
と、凛奈は立って歩こうとした。
「わっ!」
と、途中よろけて、蒼に支えられた。
「あっぶねー。だいじょーぶか?」
ドキン。凛奈は、謎の感情に心を締め付けられた。
「足首、ちょっと腫れてるな」
と、包帯を巻いてくれた。
『顔近っ!』
さらにドキドキする。
「誰か来てくれるだろうし、俺もう戻るわ」
「あ、はい!ありがとうございました!」
「じゃーな」
と、凛奈の頭に手をのせた。
「凛奈ー。だいじょーぶ?」
と、蒼が出て行った直後に巫愛が様子を見に来た。
「て、えぇ!? 凛奈、顔真っ赤だよ!? どうした? 熱でもある?!」
「巫愛、私、なんかおかしい……!」
と、ますます顔が火照った。




