51/423
朝
ジリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!
はぁ……っ。朝の5時半。今日だけは朝緋のうるさい目覚まし時計が役に立った。
今日は7時半に学校に集合だ。
「お弁当、作らなきゃ」
と言っても、今日は運搬や移動で忙しいので、おにぎりなどの軽食だ。
1階へ下りると、母の姿が見えた。
「おはよう。凛奈。はい、これ。お弁当」
と、母が凛奈に巾着を手渡した。
「え、母さん、昨日夜遅かったんじゃ……」
「何言ってるの。娘が大事な本番っていうのに、母親が仕事に行くっておかしいじゃないの」
「母さん……」
と、母がポンっと凛奈の頭に手をのせた。
「今日、ちゃんと見に行くからね」
「うん! ありがとう! 私頑張るよ!」
と、凛奈は母から弁当を受け取った。




