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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
県大会に向けて
48/423

隣の存在 加奈子ver.

認めたくない。こんな自分。


私は、私はずっと凛奈に嫉妬してたの?

自分に自信がないから、都合いい時だけ『初心者だから』って言って、『経験者はいいよね』なんて、愛菜が言う通りこの4ヶ月間、何度も言った気がする。

でも、なんであの場所で凛奈は弱音を吐くの?

あと2週間しかないのに。

悔しい思いしか私にはない。隣よりももっと上手くなりたい。でも、どれだけ頑張っても追いつく事は出来ない。

逆に、凛奈は追いつかれることがない余裕感を持っているはずなのに、なんで、あんな事を言うの?

それに……

〈ピロリロリン♪ピロリロリン♪〉

あ、電話だ。マイから。

「もしもーし」

〈あ、もしもし、カナ?〉

「んー?」

〈愛菜から聞いたよ。凛奈と喧嘩したって〉

「……だからなに」

〈カナは、経験者だからって言っていたよね。

でもね、初心者でも、経験者でも、時には弱音を吐きたいと思うこともあると思うの〉

「なにが言いたいの?」

〈聞くけど、カナはもうトランペットを始めて4ヶ月です。あなたは初心者ですか?〉

「……。わからないよ」

〈でしょ?〉

「あのさ、マイ、」

〈うん?〉

「なんで、凛奈は私の成功を喜んでくれるの?他人のことなのに。隣で競い合わないといけないのに」

〈あー、そっか。カナはそういう風に受け止めているんだね。あのね、確かに隣同士で競わないといけないかもしれない。だけどね、隣っていう存在は、競い合いだけじゃなくって、そうだね……、団結とか、助け合いも必要なの〉

「……」

〈もう1度、考えてみ?コンクールまでに〉

「わかった。ありがと」

〈うん!ばいばーい〉

「ほーい」

団結、か。

そういえば、私いつも凛奈に助けられてばっかりだ。

私に、出来ることってなんなんだろう。

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