愛菜の怒り
桜が小林先生に呼ばれる1時間ほど前の話です。。
「ぐすっ……、はぁ……」
凛奈は、しゃがみこみ、ポロポロと涙を流す。
『私、なんてこと言っちゃったんだろ』
凛奈は、あの時弱音を吐いてしまった事を後悔していた。
「凛奈! 大丈夫!?」
「愛菜、」
「ごめんね、話、隣の校舎から聞いてたんだ」
「……」
「マイ、呼んでこよっか?」
「ううん、愛菜も練習戻っていいよ」
「ほんとに? 大丈夫?」
「うん、私も練習するから」
「そっか」
と、愛菜は凛奈の背中をさすった。
「大丈夫だよ。元気だせ!」
「うん。ありがと」
「じゃあ、行くね」
「はぁ……」
一方、加奈子はパート練に向かっていた。
『私、凛奈に嫉妬してるの?』
加奈子も、決してすがすがしい気持ちではない。
と、そこに、愛菜が向かってきた。
「カナ。ちょっといい?」
「え、なに?」
「あのさ、さっきの話、まる聞こえだったんだけど、
凛奈に自分の気持ち考えてって言ったでしょ?」
「え、うん」
「じゃあ逆に聞くけどそれを聞いた凛奈の気持ち考えた?」
「そ、それは……」
加奈子はうつむく。
「経験者だからって何って言ってたけどさ、じゃあ経験者は努力しないでいいの?実力を出さなくていいの?」
「ぅるっさいなぁ!あんたも経験者なんだから初心者の気持ちなんてわからないでしょ!?」
「はぁ……。あんたは経験者、初心者でラインを引かないで欲しいってことでしょ?でもさ、結局は、経験者があーだこーだ言って自分からライン引いてる。だってそうでしょ?経験者はいいよねってゆー台詞、この4ヶ月間何度も聞いたけど」
加奈子はグッと下唇を噛みしめる。
「はぁーあ。見損なった。カナはそんな子じゃないと思ってた。じゃーね」
そう言って愛菜は加奈子の横をスタスタと歩いて行った。
「桜先輩。」
愛菜が、桜を呼び出す。
「あ、何?どうした?」
「あの、凛奈のことなんですけど、」
「あー、今はそっとしといたほうがいいかも。」
桜は、何も聞いていないが、状況を理解できているようだ。
「はい。お願いします。」
「おっけー。」




