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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
事件
39/423

目撃

「ほら、やっぱ帆南だよ……」

紗江が言う。

「どうする、とりあえず暗証番号を変えるくらいしか出来ないよ」

「とりあえずそうして、2学期まで様子見てみよ!」

『本当に、大丈夫かな……?』

不安で仕方ない凛奈の頭を、桜がポンっと手をのせた。

「大丈夫! うちらも頑張るから!」

「……はい」

凛奈はそれでも不安が消えなかった。



そして次の日、凛奈の私物は全て綺麗になり、

嫌がらせを受けることは無くなった、はずだった。

「すみません、桜先輩、薬とって来ます」

「いってらー」

パート練習中、凛奈は教室を出て、音楽室へと向かった。

「……え?」

見覚えのあるパーカー。そうだ、監視カメラに映っていたものと同じだ。帆南。そう思い、その影を追った。こちらに気付いたようで、走り出す。

「! 待って……」

散々な嫌がらせを、またしにきたのか。そう思うと腹が立ち、夢中で追いかけた。

ダンッ、ダンッ。

バスケ部のドリブルの音が聞こえる。

体育館の裏側。帆南の足は止まることなく走り続けた。

『くっ……速い』

「先輩、待ってください!」

と、何かに足が引っかかり、転んでしまった。

帆南は、そのまま走って行ってしまった。

「う……痛」

ガラガラガラッ!

“何か”が倒れ、凛奈に直撃した。

「な、に……?」

体育館裏に積まれていた机が、一気に倒れたのだ。

凛奈は何が起こったのか分からないまま、意識が途切れた。

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