犯人は?
「あー、犯人わからなかったねー」
残念そうに萌論が言う。
「そうだ!別の角度にもう1個カメラつけとけば?また犯人来るかもだし……」
「でもカメラ買うの? 監視カメラって高いよ?」
「あのさ、私の家に家に監視カメラいっぱいあるんだけど、それ使う?」
と、亜利沙が手を挙げた。亜利沙の父は、カメラを開発する会社の社長なのだ。
「さっすが亜利沙っち! お金持ち〜!」
「でもさ、勝手にカメラつけて怒られない?
楽器管理係のリーダーか誰かに言わないと……」
美鈴がそう話し、加奈子が
「あ、それなら大丈夫楽器管理係のリーダーは……」
「おっはよ〜。あ、あんた達練習は?」
と、桜は目を細めた。
「みんなで集まってなにやってんの〜?」
と、2人が楽器庫に入ってきた。
「えと、実は……」
「えっ!? 何これ!?」
凛奈が説明する前に、紗江が異変に気付いた。
「誰がやったかわかる?」
桜が冷静に凛奈に聞く。
「監視カメラも見たんですけど、顔がわからなくて…今日もやられるかもだから、亜利沙が家から監視カメラを持ってきて、別角度につけようって話になったんですけど…」
「私、こばTとキホちゃんに言ってこよっか?」
紗江が聞く。こばTとキホちゃんとは、小林と池田のことで、3年生しかそのあだ名で呼んではいけないと言う暗黙のルールがあるらしい。
。
「いや、でも先生達に言うとチクった! って思われるから、やめといた方が……」
「とりあえず、先輩、監視カメラの映像みてもらっていいですか?」
「「……」」
「凛奈、落ち着いて聞いて欲しいんだけど、」
桜が深刻な顔をしながら凛奈に話しかける。
「な、なんですか?」
凛奈は少し怖く思い、桜に尋ねる。
「まだわかんないんだけど、このパーカー、もしかしたらね、帆南のかもしれない」
「えっ………!」
全員が声をあげた。
「でもさ、まだわからないから、亜利沙ちゃんの監視カメラ、借りた方が良いかも」
「はい……」
凛奈は驚きを隠せないままだった。




