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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
夏合宿in和歌山
351/423

2日目 ミーティング

「「おはようございます!」」

2日目の練習は、食堂で行われる朝のミーティングから始まった。

小林たち4人が前に立つ。

「おはようございます。今日は細かい作業を繰り返し続けていきます。まだお泊まり会気分の人はもういないと思いますが、気を引き締めて2日目に挑みましょう」

「「はい!」」

ぐるりと73人を見渡し、そして手に持っていた紙に目を通した。

「今日の予定は、」

小林のその一言で、2、3年生がメモを取り出す。1年生は、それを真似して慌てて書くものを用意する者と、ぼーっと見ているだけの者がいた。

「今、8時です。10時までパート練習の時間をとるので、じっくり合わせてきてください。場所は基本どこでもOKです。それと、9時からはサポートメンバー練習室に集合してください。文化祭でやる予定の曲と、あと海の王者も池田志穂先生と紀穂先生に見てもらいます」

「「はい!」」

池田姉妹は人気のようで、きゃあっと声が上がる。

「それから、10時からはコンクールメンバーの合奏です。それまでにパートや個人で見てもらいたい時は俺のところまで行くこと。国木田先生がサックスを今から基礎レッスン、クラリネットを9時から自由曲のレッスンしてくださるのでそのつもりで」

「「はい!」」

奈津が机の上でぐっと拳を作った。

「12時半から昼食、1時間金管、木管、パーカッションに別れてセクションをしてください。金管と木管はセクションリーダー中心で。パーカッションは昼から沢江(さわえ)先生に見ていただきます。2時半から合奏。サポートメンバーは、2時半までは別室で個人練習をしていてください。合奏は見学と手伝いをしてもらいます」

「「はい!」」

と、返事したものの、細かいスケジュールを書くのに必死になる。

「セクション何時からって言った……?」

聞き逃してしまったところを、もう1度お願いします、なんて言えない。

「先生、すみません。セクションが何時からか、もう1度お願いできますか」

パッと手を挙げたのは奈津だ。

「あぁごめん、何時からかいま言ってなかったかな。セクションは1時半からで」

「ありがとうございます」

奈津が聞いていなかったのではなく、小林自身が言い忘れていた。そう思える奈津への信頼感はもちろん、まっすぐそんなことを聞ける奈津にも驚く。

「だいたい5時ぐらいまで合奏かな。それからは風呂入ったり自主練したり自由時間。6時に全員夕飯をここで食べて、そこからもう1度パート練習。で、8時からまた自由時間。風呂の時間をまた作ります。9時に浜辺で花火大会です。ざっとこんなかんじかな。予定とか時間が前後することがあるので、その都度知らせます。それくらいかな。役員からの連絡なにかありますか」

「ホルンパートの課題曲、自由時間にお願いします」

「了解。他は?」

「国木田先生、サックスパートの自由曲を見てもらってもいいですか」

「もちろんだよ〜」

ぐるりと見渡し、もう1度確認する。

「体調は大丈夫ですか」

「「はい」」

「じゃあ、今日も1日頑張りましょう」

まる1日の予定を並べると、ハードな気がするが、合宿としては当たり前なのだろう。

解散の合図とともに、背伸びをする。

そして、楽譜を持って動き出した。

「頑張りますか!」

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