sunflower concert 開演!②
「は〜、キンチョーしてきたよ〜ぅ」
と、舞台裏で加奈子がため息をつく。
「カナにとっては初めての本番だもんねー」
と、紗江が加奈子の頭を撫でる。まるで姉妹のようだ。
「凛奈はなんか落ち着いてるよねー。 なんかさ、平然ってかんじ」
桜は不思議な顔をしている。
「ソロとかあるのに、緊張しないの?」
と、杏がひょこっと顔を出す。
「うーん、、別にガッチガチに緊張してないけど、
輝夜姫のソロは緊張してます。setting ofは4月からやってるからそこまで緊張しないです」
と、凛奈は首をひねる。
「そっか。それじゃ、」
ブーーーーーーーーーーーーーーーー!
早苗が話しかけた瞬間、アナウンスが始まった。
【ただいまより、第4部を開演いたします。第4部は、葉月市立北原中学校吹奏楽部のみなさんの演奏です】
早苗がペロッと舌を出し、
「いってらっしゃい!がんばれ!」
と凛奈の耳元でささやいた。
「はい!」
凛奈は、笑顔を先輩達に見せた。
1曲目は、1年生だけのステージで、setting ofを演奏する。
トランペット協奏曲であるこの曲は、凛奈が前に立って演奏する。
チューバとユーフォの掛け合いから始まり、突然消える。そして、ついに凛奈のソロが始まった。
高く、輝くビブラート。別れ、そして感謝を現すこの曲は、作曲者いわく、主人公がゆっくり光の階段を歩くイメージなのだ。
凛奈は、完全に音楽に入り込んでいた。曲が終わる直前、西野小のときの顧問、そして後輩たちが
涙を流しているのに気がついた。
曲が終わった瞬間、大きな拍手がホールいっぱいに響いた。そして、
「ブラボー!!」
という声が聞こえてきた。
凛奈は深くお辞儀をし、1年生が一旦退場した。
そして、美奈とマリアだけが舞台に残り、司会を始めた。
【みなさん、こんにちは!葉月市立北原中学校吹奏楽部です!
私たちは現在、1年生20人、2年生11人、3年生22人の、計53人で活動しています。
さて、最初にお届けした曲は、レリーラル作曲の、
setting of〜感謝〜でした。そして!この曲は、今回、1年生だけで取り組みました。ソロトランペット奏者は、1年生の香坂凛奈でした!】
と、凛奈は桜にトンっと背中を押され、舞台に立った。そして、美奈とマリアは顔を見合わせ、
【トランペット、香坂凛奈さんです!もう1度大きな拍手をお願いいたします!】
パチパチパチ!
客席から、また、「ブラボー!」と声が聞こえてきた。凛奈はとても嬉しくなって、また深くお辞儀した。
【さて、続いての曲は、……】
コンサートの全てが終わり、全体ミーティングの後に、他のバンドの人達は凛奈に群がり、
「さっきのソロ、めっちゃ感動した!」
「凛奈ちゃん、メアド交換しよ♪」
と、凛奈は人気者だ。
「凛奈!」
美都が凛奈に抱きつく。
「あのね、ずっと謝りたかった。去年のこと。本当にごめんね!これからも、ずっとずっと友達でいて欲しい!」
と、美都は、ポロポロと涙をこぼしていた。
凛奈も美都に抱きつき、
「もう大丈夫!これからもずっと大好きだよ!」
と笑顔で言った。
そして、2人は笑い合った。




