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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
夏期演奏会sunflowerconcert
33/423

コンサート前日

夏休み3日目。明日はついにコンサートだ。

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!

凛奈は朝緋のうるさい目覚まし時計で目を覚めた。

だが、当の本人はいびきをかきながらまだ寝ている。

「まいっかい毎回うるさいのよ!目覚まし変えろ!」

と、凛奈は朝緋に枕を叩きつける。

「はぁ……お弁当作らなきゃ」

たまには朝緋が作ってくれればいいのに。

凛奈は大きなため息をついた。

弁当を作っていると、朝緋がドタドタと階段をおりてきた。

「なんで起こしてくれないんだよ! 今日試合なのにあと30分で家でないといけないんだよ!」

「何回も起こしたよ! 人のせいにしないでくれる?! あとあの目覚ましほんっとうるさい。私出発まであと3時間は余裕であるのにあれのせいで目が覚めちゃったじゃん! 自分が起きられないのに目覚ましかけたって意味ないじゃん!」

凛奈は不満が爆発した。

朝緋は言い返すことができず、

「う、そ、それは……」

と言葉がつまった。

「もうっ」

凛奈はまたため息をついた。


「凛奈?」

凛奈は樹奈の声で目が覚めた。そうだ。ここはバスの中だ。

「あ、ごっめん! もしかして起こしちゃった!? ごっめーん!」

「ううん、大丈夫。気にしないで」

こんなところで寝るなんて、朝緋のせいだ。

「大丈夫? 凛奈にしては珍しいねw」

マイは軽く笑っている。

「今日さーまた朝緋の目覚ましのせいで5時に目が覚めたんだよねー。それなのに朝緋は起きてないしさー! ほんっと意味わかんないよねー!」

樹奈とマイは、

「ほんっと2人って仲良いよねー」

とクスクス笑っていた。

「よし! 明日は初めて人前で演奏するんだから、今から譜読みしよ!」

と、樹奈がリュックサックからファイルを出す。

「えー、樹奈、酔うよ〜? あんたすぐ酔っちゃうでしょ〜?」

樹奈はマイの言葉など気にせず、

「いくよ〜、1、2、3!」

「たんたかたたったたーたたん!」

凛奈も歌い始め、マイも呆れながらも歌いだす。

「とぅるっとぅとぅとぅとぅるるるー」

「ぷぁんっぷぁーん!」

「たかたかたかたたたたかたかたん!」

すると、

『そこの中学生3人、もう少し静かにお願いできますか』

と、運転手に注意された。

すみませ〜ん!とあやまる。

そして、3人で静かに笑った。マイが

《明日、がんばろーね!》

と口をパクパクさせながら言った。




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