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合同練習1日目 ①
「えっと、まず基礎練なんだけど、みんな何からやってる?うちはロングトーンからなんだけど」
桜は首をひねった。
基礎練習は、バンドによって違うので合わせて一緒にやらなければいけないので、ホスト校のパートリーダーにとってはとても面倒なことのひとつだ。
「へぇー。西野中はリップスラーからやってる」
「あ、西小もです」
「北小はロングトーンからです」
「うわー。見事北原と西野で別れたねー。さすが1小1中のエスカレーター式だねー」
桜が驚く。
西野小出身の人は、ほとんど西野中に通っている。
だが、北原中は東野小、西野小、北原小、南高小の4つの小学校の出身の人がいる。
「えーと、今からお昼にします。パートで食べて下さい」
「「はい!」」
「はぁー。疲れたー。」
と、西野中の酒井利世がため息をつく。
他校の人にとっては、小林は相当スパルタだからだ。
「加奈子と凛奈、疲れないのー?」
美都もぐったりしている。
「ううん。いつもの事だよ。」
「あー、やっぱこれが金賞のレベルなんだなー。」
と、利世が頭を抱える。
凛奈と加奈子は苦笑いした。




