ラストステージ開幕
【ただいまより、第4部を開演いたします】
池田の声に続き、ドラムの麻由のソロから曲が始まった。
ブルースブラザーズのI CAN'T TURN YOU LOOSE。
ビッグバンドメンバーのメロディーが終わり、少しおさまったところで上手側の舞台裏から茉莉花が元気よく登場した。
《さぁ、いよいよ第4部、ラストステージの幕開けです! いまお聴きいただいている曲は、I CANT TURN YOU LOOSEです! 熱く、ノリノリな私たちの演奏を、あなたにも、あなたにも、そしてそこのあなたにも!お届けします!》
リズムに乗りながら茉莉花は大きく身を振りながら笑顔で話す。
《それでは、みなさん盛り上がっていきましょう!アーユーレディ?!》
茉莉花が手を耳にそえる。
「「いぇーい!!!!」」
部員たちが茉莉花にこたえる。
2階席にいた皇城の部員たちも、ノリノリで参加してくれる。
《ワン、ツー、ワンツースリーフォー!》
1番後ろの列であるトロンボーントランペットが立ち上がる。それと同時に茉莉花がぺこりと頭を下げると、大きな拍手が巻き起こる。
2小節ごとに立ち上がる。
ベルアップでラストを迎えた。
大いに盛り上がるこの曲は、オープニングにぴったりである。
《ありがとうございました。ただいまの曲はI CAN'T TURN YOU LOOSEでした。第4部の司会を務めさせていただきます、ホルンパート2年の登坂です。よろしくお願いします。さて、続いての曲は、クラリネットジャズの王様、ベニーグッドマンのシングシングシングです。クラリネット、トランペットのソロ、ドラムのアドリブソロにもご注目ください。それでは、どうぞ!》
ポップスステージで皇城の部員たちが盛り上げてくれる。先ほどの堅苦しい雰囲気とは違って、お客さんも笑顔でいる。
凛奈は少し嬉しくなって、音も明るかった。




