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コンクールの前に…
7月の初めの土曜日。オーディションが終わり、丁度1週間だ。
「ミーティング始めまーす!」
唄華がファゴットを持ったまま前で指示を出す。
その指示に部員たちが
「「はい!!」」
と返事をする。と、小林と池田が合奏室に入ってきた。
「「おはようございます!」」
部員たちは立ち上がり、個々に挨拶をする。
「えーっと、7月の予定について話したいと思います。知ってる人もいると思いますが、毎年号令の夏期演奏会sunflowerconcertを西野中の吹奏楽部と西野小の金管バンドと北原小の金管バンドと合同で行いたいと思います」
小林が話している途中、池田が最前列の部員にプリントを配り始めた。
「えー、いま池田先生が配ってくれてるのはコンサートの曲目、合同練の予定日、予定しているプログラム順が載ってるの思うけど、合同練は明日からコンサートまでの毎週日曜日です。しっかり練習しといて下さい」
「「はい!」」
『もうそんな時期か』
凛奈は小学生の時に4度出演している。
『あの子達、元気かな』
凛奈は西野小の後輩のことをぼんやり思い出す。