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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
春のコンサートに向けて
254/423

おかえり!

「ねぇ、ほんとなの!?」

「たぶんだよ! 福原先生から聞いたんだよ」

朝、1年1組に固まる吹奏楽部の1部の部員たち。

「おはよー、」

凛奈たちがその輪に入ろうとやって来た。

「あ、おはよ」

誰1人、凛奈と目を合わせることなく挨拶した。

「今日さ、先生に聞いたんだけど実は……」

と、ガラッと、扉が開いた。

「おはよう」

聞き覚えのある声。聖菜だ。

「せい、」

聖菜、と誰かが言い終える前に、凛奈が聖菜に飛びついた。

「おかえり……!」

絞り出されたような声に、聖菜は

「ただいま!」

と笑顔で返事した。

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