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おかえり!
「ねぇ、ほんとなの!?」
「たぶんだよ! 福原先生から聞いたんだよ」
朝、1年1組に固まる吹奏楽部の1部の部員たち。
「おはよー、」
凛奈たちがその輪に入ろうとやって来た。
「あ、おはよ」
誰1人、凛奈と目を合わせることなく挨拶した。
「今日さ、先生に聞いたんだけど実は……」
と、ガラッと、扉が開いた。
「おはよう」
聞き覚えのある声。聖菜だ。
「せい、」
聖菜、と誰かが言い終える前に、凛奈が聖菜に飛びついた。
「おかえり……!」
絞り出されたような声に、聖菜は
「ただいま!」
と笑顔で返事した。




