表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
後悔を笑顔に変えたい
249/423

合奏前に

その後、部活が終わると、2年生全員は公園に集まってミーティングをしていたらしい。

1部では、塾を休んでまでそのミーティングに全員が参加したそうだ。

実際、昨日、テストが近いのに蒼は塾に来ていなかった。

明日からテスト期間。今日が、最後の練習となる。

「北原山の第1公園あるでしょ? 昨日そこで8時ぐらいまでずっと話してたらしいよ。なんか、泣いてる人もいたみたい。お母さんが言ってた」

ひそひそと話し声が聞こえる。

だが、2年生はなにもなかったかのようにいつも通りだ。

「凛奈!」

合奏が始まる前、奈津にまた楽器庫へと呼び出された。

「先輩、昨日……」

「あのね!」

奈津ははしゃいだ子供のように目を輝かせた。

「昨日、私柚子の家に行って、話したの。話せたの。部活のこと、これからのこと……。だから、私と柚子はもう大丈夫!」

彼女は、ありがとね、と目に浮かんだ涙を拭き取った。

「じゃあ、柚子先輩は……柚子先輩は部活に戻ってくるんですか?」

奈津は、笑顔を押し込め、悲しい顔で首を振った。

「まだわからない。戻れないって。でも、私たちばかりが原因じゃないって」

「嘘です。嘘ですそんなの。だって、柚子先輩は……」

と、にっこり笑って、凛奈の頭の上に手をポンっと置いた。

「わかってる。だから、今日河川敷一緒に行こう」

「……はい!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ