結果報告
ガラッ。
鍵が開いていたが、誰もいなかった。
気味が悪くなって、電気をつけると、
「「わ〜!」」
いろんな所から部員たちが飛び出してきた。
「え、え?」
混乱する凛奈とは違って、部員たちは凛奈をすとんと椅子に座らせた。
ガラッ。
「蒼!」
驚いた蒼は、奥に座ってる凛奈をみて目をぱちぱちさせた。
その後、次々とアンサンブルメンバーがやってきた。
「よし、みんな揃ったね!」
と、皆が何かを背中に隠し、奈津がせーの、と声を上げると、
ぱんっ!
と、クラッカーの音が鳴り響いた。
「アンサンブル、お疲れ様でした!」
と、奈津が明るい声で言った。
パチパチ拍手が起こった。
そして、金管の1年生がアンサンブルメンバーに可愛らしい桃色のカゴを手渡した。
お菓子の詰め合わせだった。
「あ、ありがとう……」
ぽろぽろと涙を流す部長。
「茉莉花。みんなに結果言おう」
と、ユリカが背中を押すと、彼女はキッ、と顔を引き締めた。
音楽室も、シン……と緊張が走った。
「……銀賞でした。みんな、サポートありがとうございました。木管2年生、パーカッションのみんなの気持ちを背負って頑張ったけど、こんな結果で……」
と、パチパチと拍手が起こった。
「おめでとう!」
「おめでとうございます!」
皆笑顔で拍手をしてくれる。
「関西大会で銀賞なんて、凄いことだよ。お疲れ様。おめでとう!」
「ありがとう……」
涙を流した。
仲間が、こんなにも温かい言葉を口に出すとは思っていなかった。
「次は春コンだよ。頑張ろう!」
と、奈津が笑顔で言った。




