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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
アンサンブル関西大会
243/423

サプライズパーティー

聖菜へ。

銀賞でした。

聖菜の気持ちを背負って、頑張ろうと思ってたけど、やっぱり、関西は厳しいね。

ごめんなさい。

はやく元気になって、戻ってきてね。

熱もすっかり下がった次の朝。

「金賞、とりたかったなぁー」

ぽそっと、バスの窓にもたれかかって、声に出した。

今日は、1人なのだ。

バスの中には、誰もいなかった。

マイたちは、先に行くと言っていた。

「期待、されてたのかな」

期待を裏切ってしまったかもしれない。

結局、あたふたしたまま終わってしまった関西大会だ。

1年生のみんなに、何と言えばいいのだろう。

気を使わせてしまわないか。

そんなことばかり考えて、気が重いままバスを降りた。


----------

「……え」

靴箱には、1年生の靴が、全部上靴だったのだ。

つまり、来ていないことになる。

「どうして……」

マイたちは、先に行くと言っていたはずだ。

だとしたら、どこかへ寄っているのだろうか。

とにかく、音楽室へ向かおう。

----------

「凛奈いま玄関来ました!」

樹奈が慌てて音楽室に入ってきた。

「お! みんな、隠れて!」

奈津が、ノリノリでみんなに呼びかける。

サプライズパーティーだ。

と言っても、練習時間を長いこと奪うわけにもいかないので、小林が部員たちに与えた時間は1時間半。お菓子OKとなっている。

皆、机の下に隠れこんだ。

「ねぇ、」

「ん?」

愛菜が、麻由に話しかけた。

「結果、どうだったんだろう」

「……さあ」

まだ、奈津以外の部員は関西大会の結果を知らない。

「大丈夫だよ。絶対、金賞とってるはず」

その会話を聞いていた奈津は、静かに俯き、

「まぁ、金賞でも、そうじゃなくても、お祝いだよ!」

と、明るく顔を上げた。

「「はい!」」

2人も笑顔で返事した。

「あ、来た!」

ガラッ

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