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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
アンサンブル関西大会
239/423

涙の結果発表

結果発表だった。

発表される前から泣いていた。

本番が終わった直後から涙が止まらなかった。

写真撮影も、目が腫れたままだった。

結果発表が終わったいま、涙を流す以外になにができるのだろう。

「「……」」

沈黙に包まれていた。

結果発表の声がこびりついて頭から離れない。

《北原中学校金管9重奏、銀賞》

「ねぇ、この後どうすんの」

「えっと、とりあえず駅に行く、……」

と、ユリカと茉莉花が話しているところに、奈津が現れた。

「奈津、来てたんだ」

「うん。お疲れ様」

ありがと、と、茉莉花はにっこり笑ったが、悲しい笑顔だった。

まるで、何かを掴めそうだったのに、あと少しだったのに遠ざかってしまったようだった。

「すごくよかったよ。みんなの演奏。同じ学校だって思えなかった」

うん、うん、と頷くと、いっぱいに涙を流した。

それをみて、ユリカも俯き、手で顔を覆った。

「ごめん……っ」

かすれた声でそう言い、奈津は首を振った。

「ううん。ありがとね」

2人の後ろで、俯いたり泣いたりしている他の部員たち。

凛奈は涙を流しすぎたせいで、目が痛かった。

「先輩、少し顔洗ってきます」

ふらふらとトイレへ向かった。

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