表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
アンサンブル関西大会
238/423

緊張は恐怖へ変わるのは

「はぁ……」

緊張してどんどん凛奈の顔が暗くなっていく。

あと1時間。

-------------

凛奈の目には涙がうっすら浮かんでいた。

あと、10分。

他の部員たちの、木管2年生たちの、聖菜の、自分たちの目指した舞台。

どうしよう。もし、私が───。

その先を考えると同時に、誰かが自分の肩に手を置いた。

「どうしたの? 大丈夫」

リハーサル室を出るときだった。

話しかけたのは、ユリカだった。

その手は、かすかに震えていた。

そうだ。ここにいる皆、関西大会は初めてなのだ。

怖いのは、自分だけじゃない。

「怖い?」

「はい」

と、素直に返事した。

すると、彼女は少し寂しく笑って、

「私も」

と呟いた。

「でもね、うれしいって気持ちに切り替えることにしたから」

と、前を向き、振り向く事なく舞台裏へ歩き出した。

その背中に、凛奈はついていった。

「プログラム12番、葉月市立北原中学校。金管9重奏。曲目は、To our glorious futureです」

あかりがつく。

ドクドクと心臓がなるが、笑顔で、楽器を構えた。スッ、と9人のブレスが揃った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ