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温度差
「「おはようございます！」」
日曜日。
凛奈たち4人が音楽室に入ると、皆が押し寄せた。
「凛奈！麻由！」
「金賞&関西おめでとう！」
「あ、うん、ありがと」
麻由は、どこか悲しげに応えた。
「ありがとう」
凛奈も、にっこりと笑ってさっと流した。
ツキっと胸が痛くなった。
パーカッションを見ると、夢跳愛が無言でスネアのロールをしていた。
凛奈、麻由、夢跳愛以外の1年生も、悪気がないのは分かっているが、あまりアンコンの話をしてほしくなかった。
金管メンバーは関西へ進めたのに、パーカッションはダメ金で終わってしまった。それなのに、パーカッションの人間は、笑顔で「関西頑張って」なんて言える訳もなかった。これは、なんとなく予想はしていた。
だから、かえって辛くなってしまう。
昨日、打ち上げが終わるまで結局優香は戻ってこなかった。
