合宿3日目 ボロボロな基礎合奏
【よし、始めよう】
「「よろしくお願いします!」」
基礎合奏が始まる。
ホールでの基礎合奏も、今日が最後となる。
【チューニング】
「「はい!」」
打楽器の四分、八分音符に合わせて、冷たくなった楽器に息を吹き込む。
【ロングトーンします】
「「はい!」」
12泊吹いて4泊休む。これを繰り返す。
やっと楽器が温まってきたところで終了した。
だが、皆疲れが溜まっているのか音もか細い音だった。
【トランペット、響きがあってない。お互いのスピードを感じあって合わせて】
「「はい!」」
【ホルン、ユーフォ、今になってまだそんなレベルなのか? もう1年半一緒にやってるんだからいい加減合わせろ。トロンボーンも音がぶら下がってる。チューバとバストロ、もっと核にならないと、他のパートもまとまるわけがない】
「「はい!」」
いつも以上に厳しい小林の言葉が槍のように心に突き刺さってくるが、部員たちははっきりと返事する。
小林が今度はパーカッションの方へ目をやった。
【スネア、もっとはっきり。バスドラもスネア支える感じで。鍵盤2人はB♭dur完璧にしないと。いまここでそんな間違いをしてどうするんだ】
「「はい!」」
【次、スケール】
「「はい!」」
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「はぁ……」
「疲れたー」
部員たちは次々に言葉を漏らす。
と、小林が弁当の入った袋をもって、呆れた顔で現れた。
「お前ら、こんなので疲れてたら関西大会どーするんだよ」
「「はい……」」
「ほら、弁当買ってきたぞ」
「「ありがとうございます」」
「終わったら金管が大ホールで最後のリハだからな」
「「はい!」」




