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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
二泊三日のハード合宿
183/423

合宿2日目 衝撃

「あー、次、ご飯か……もう移動するのもしんどいよ〜」

行こっか、と綾乃が立ち上がった。

「あ、先輩」

「ん? なぁに?」

聞いてもいいですか、と言うと、綾乃は布団の上に正座になって座った。

「どしたの?」

「あ、あの、いや、そんなに真剣な話じゃないんですけど、去年のアンサンブルって、パーカッション2人で出たんですか?」

もしかしたら管楽器のメンバーの誰かが人数調整のためにアンコンに出ていたかもしれない。それとも、2人で金賞獲得したのだろうか。そんな話で凛奈は興味が湧いていた。

「あー……」

綾乃は、頬をポリポリとかき、目を逸らした。

「あまり言ったらダメなんだけどね……、3人で出たの」

「3人……? 誰か管楽器の人が出たんですか?」

と言うと、綾乃は困り顔になった。

「うーん……、今年の3年生、パーカッションの先輩いなかったでしょ? 実はね、去年はいたんだよ」

「え……」

自分の考えの甘さと、衝撃の事実に固まってしまった。

「なんで辞めちゃったんですか?」

「うーん……詳しい事情はよく知らないなぁ。まぁ、そんなとこ! 早く行こう!」

綾乃は、立ち上がって凛奈よりも先に部屋を出た。

『やばいやばい……言ってしまった……』

真っ青になりながら、口元をおさえながら食堂に向かった。

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