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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
目指せ!コンクールメンバー
18/423

棄権と退部

月曜日。帆南は放課後の練習に来ていなかった。

だが、パート練習中に小林が桜を呼び出し、何やら話している。桜は驚き、考え込んでいる。

その後、小林と桜が2の1に入って来た。

「えーっと、須野の件なんだけど」

ドクン。凛奈の頭には昨日の事がまた蘇る。

紗江は心配そうにこちらを見る。

「コンクールオーディションを棄権したいと本人が言っていました。あと、退部のことも考えてるみたいです」

「退部の、理由は何なんですか?」

杏がおずおずと小林に聞く。

「部活を辞めて受験勉強に専念したいらしいです」

本当にそうなのか?メンバーは疑問に思う。

「はい。では基礎練を続けてください。中断して申し訳なかったですね」

それだけ言って、小林は出て行った。と、トランペットパート全員がそれと同時に

集まって円になった。

「あのさ、紗江に聞いたよ。帆南が凛奈に当たってたこと」

と桜が言う。

「えぇー!?帆南先輩って……」

と驚いた様子で早苗が大声で答えるが、その後は大声で言えない事なのであわてて口をふさぐ。

「そうだよ。OGの人も、うちらも、他のパートの人もあいつの事嫌いだったよ」

椅子に座り足組をしながら紗江が言う。

「でもさ、あれだけ凛奈に嫉妬しといて辞めるとか、マジで無責任。凛奈こんなに傷ついちゃってるのに、ねぇー!」

と桜が言いながら凛奈の頭をなでる。

「ずっと帆南先輩に言おうと思ってたけど、練習全然してなかったですよね」

杏が思い出すように言う。

「あの……結局帆南先輩はどうしたかったんですか?凛奈に当たって、それなのに棄権しちゃって、よくわからないんですけど……」

加奈子が困惑した顔で発言する。

「そうだよねー!なんかよくわからなかったし。

でもあいつ、最近ずっとイラついてたし」

「「「………」」」

最初に沈黙をきったのは凛奈だった。

「あの、私、どうしたら、」

「凛奈は何も悪くないよ。気にすることない」

と、杏が優しく応える。

「よし! この話はやめて練習しよう! 忘れよう!」

と、桜が提案し、さんせーい!と紗江が応える。そして、また基礎練が再開し、そのまま練習が終わった。



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