合宿の予定
「ふふっ」
夜には、小さいがしっかりと声が出せるようになった。
凛奈は、ベッドに寝転がり、その手にはピンク色のリボンのバレッタがしっかり持ってあった。
蒼からもらった誕生日プレゼント。
『明日、つけて行こう』
と、バレッタを棚の上に置いた。
「ミーティングしまーす!」
「「はい!」」
また、いつものように部活が始まる。
「えっと、この後先生がきて急遽ミーティングだそうです。たしか、アンサンブルのこと」
茉莉花が言うと、優香と穂花の顔が青ざめた。
「「はぁ……」」
2人のため息が漏れ、まわりの部員はクスクスと笑う。
「ちょっとー? お2人さーん?」
「あ、ごめん!」
ガラッ。
「「こんにちは!」」
部員たちは慌てて立ち上がった。
小林と池田が来たのだ。
「こんにちは」
「「よろしくお願いします!」」
「よろしくお願いします。今日は、アンサンブルの合宿についてです」
「合宿?」
1年生は、合宿などをやったことがない。
「と言っても、実際に合宿するのはアンサンブルメンバーの13人だけ。他のメンバーは1日目だけ見学です。来週からの4連休の3日間をつかって実際のホールでリハーサルをして、近くの合宿所に泊まります」
北原中学校の創立記念日が今年は3連休にくっついているのだ。創立記念日は、部活動も休まないといけない規則がある。
「2日目、3日目はアンコンにでない人はどうするんですか?」
鈴音が手を挙げる。
「去年までは顧問が小林先生1人だったから他のメンバーは練習が半日だったけど、今年は私がいるので1日練習です」
と、池田が言う。
「ということです。あとは、アンサンブルメンバーへの話となります。それ以外の人はパート練に行ってください」
「「はい!」」
と、他のメンバーは速やかに音楽室から出て行った。




