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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
1年生1人1人の心
170/423

声が……!

麻由からのメール。

『よかった。これからも、このメンバーで』

「おい、凛奈、なに1人でにやけてんだよ」

朝緋の言葉にムッとなり、スマホで

【別に!】

と打った。

3日後の朝。

今日は11月23日月曜日。凛奈と朝緋の誕生日だ。

勤労感謝の日で学校が休みだが、もちろん部活は1日練である。

「……っふぁ……ぁ」

凛奈はあくびをした時、ハッとなった。

「ぁ……あー」

『声が、出た』

嬉しくなり、両親を起こした。

「どうしたの?」

母の言葉に、少し恥ずかしくなりながらも、

「ぉ…かあさ……ん」

「凛奈……!」

母の嬉しそうな顔、父の優しい顔がとても嬉しくなった。

--------

「あ、凛奈、おはよー! 誕生日おめでと!」

【おはよう!ありがと!】

声は戻ったものの、まだ病院にも言っていないので、あまり声を出さないように心がけた。

それに、2人にも伝えたいがなかなかタイミングがわからなかったのだ。

『今日、茉莉花先輩に言おう』

そう思うと、部活が楽しみで仕方なかった。

「なに笑ってんのー?」

と、マイが聞くが、ニコニコと首を振った。


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