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声が……!
麻由からのメール。
『よかった。これからも、このメンバーで』
「おい、凛奈、なに1人でにやけてんだよ」
朝緋の言葉にムッとなり、スマホで
【別に!】
と打った。
3日後の朝。
今日は11月23日月曜日。凛奈と朝緋の誕生日だ。
勤労感謝の日で学校が休みだが、もちろん部活は1日練である。
「……っふぁ……ぁ」
凛奈はあくびをした時、ハッとなった。
「ぁ……あー」
『声が、出た』
嬉しくなり、両親を起こした。
「どうしたの?」
母の言葉に、少し恥ずかしくなりながらも、
「ぉ…かあさ……ん」
「凛奈……!」
母の嬉しそうな顔、父の優しい顔がとても嬉しくなった。
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「あ、凛奈、おはよー! 誕生日おめでと!」
【おはよう!ありがと!】
声は戻ったものの、まだ病院にも言っていないので、あまり声を出さないように心がけた。
それに、2人にも伝えたいがなかなかタイミングがわからなかったのだ。
『今日、茉莉花先輩に言おう』
そう思うと、部活が楽しみで仕方なかった。
「なに笑ってんのー?」
と、マイが聞くが、ニコニコと首を振った。




