表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
目指せ!コンクールメンバー
17/423

怒り

今年のコンクール曲の曲名は

輝夜姫(かぐやひめ)〜月の輝き〜』だ。

凛奈は、オーディションで吹くフレーズにマーカーでチェックする。もちろん、ソロもオーディションで決める。

凛奈は、

『桜先輩は絶対受かるだろうなー』

とぼんやり考える。桜はマイと同じく東野小吹部出身で、プロ並みの技術を持っている、全国レベルのトランペット奏者だ。紗江も同じで、経験者だ。となると、現在、凛奈、桜、紗江の3人の経験者がこのパートにいるのだ。

私も、先輩たちに負けてられない。私だって、ソロを吹きたい。私も頑張ろう!と、腰より少し上の長い髪をポニーテールにする。

準備室のトランペットのロッカーへオイルを取りに来た。すると、帆南がロッカーの前に立っていた。

とても冷たく、奥の方まで光っていないその眼で、 「あのさ、」

と言ってきた。声が、低い。

こんな先輩初めて見た。そう思いながら、息を呑んだ。

「あんま調子のんなよ。楽器も買って、経験者で上手いからって私のことなめてんの?」

こ、怖い。凛奈は震えが止まらない。

「わ、私は……」

チッ。舌打ちが乾いて聴こえる。

「あんたのそんなとこが……」

「帆南。凛奈。もうパー練始まるよ。」

と、紗江がドアの所に腕を組んでもたれかかっている。紗江は帆南を睨んでいる。

「あ、凛奈、いこー♪」

と、パッと映像がかわったように、いつもの軽々しい紗江に戻り、あのかわいい笑顔に戻った。最近はオーディションが近いのでメイクはしていないが、素のかわいさが紗江にはあるのだ。

さっきの、あまり気にしないほうがいーよー。と紗江が言う。そして、ニコッと笑った。それにつられて凛奈も笑顔になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ