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麻由の一言
やばいよ。
てすときかんだよ。
「最後、麻由、だけど……。大丈夫?」
「……うん」
と頷き、また立ち上がった。
その目は赤く腫れていて、本当に悲しそうだった。
「えっと……、こんな私で、みんなすごく困ったと思う。みんなが私の悪口言ったとしても、や、言ってたかどうかは知らないけど、私は吹奏楽ができて、みんなと演奏できて本当によかった」
それだけ言って、終わります、と言って席についた。
皆、状況を理解しているので、それだけ?などと思う人は誰1人いなかった。
〈みんな、ありがとう。これで、これからの部活をどうあるかだよね。目標なんて決めなくても、私たちならできるって思ってるんだけど……〉
「私も、目標は決めなくていいと思う。やり直せばいいと思う」
「私も」
と、みんなが賛成し、
〈それでは、ミーティングを終わります〉
と書いた。
「「ありがとうございました!」」
よかったねー、と、みんな笑顔で片付けをするが、1人例外がいた。
麻由は、さっと机を片付け、走って教室をあとにした。
それを気にしていた凛奈は、すぐに後を追いかけた。




