間宮 聖菜
「うっ……、マリ、ちゃん……っ。ごめ、ごめんなさい……」
と、亜利沙が泣き出した。
「ほんとに、ごめん……っ」
と、亜利沙は立ち上がり、頭を下げた。
それをみたマリアは泣き叫んだ。
「ごめ、ん……っ。マリアも……」
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次に、手をあげたのは、聖菜だった。
私さ、昔からしょっちゅう親の転勤で転校転校って、数えきれないほどの学校を回った。2週間しかいなかった学校もあった。でも、小4でなんとか安定して、中2の秋まではそこに滞在できるって分かって、すっごく嬉しかった。
やっと仲のいい友達が出来るって。
ずっとやりたかったブラスバンドにも入ったし、毎日が楽しかった。
だけど、中学に上がってからの吹部でなかなか上手くいかなかった。
吹いても吹いても、なにも思わなかった。
楽しいだなんて言葉がなかった。
コンクールで北原の演奏を聴いたとき、すごく楽しそうだった。
これが、次に私が行くところ。すごく楽しそう。はやく、あの場に行きたい。そう思ったんだ。
もともと、北原中に行くってわかってた。
だけど、いますぐ行きたいって思った。
親に頼んで、頼んで頼んで、やっと北原中にくることができた。
この吹部に入るのもすこし不安だったけど、みんな私のこと大切な仲間だって言ってくれて、すごく嬉しかった。
だけど、最近のこのメンバーを見てると、前とあんまり変わらない気がしてきた。
最近ね、たまにだよ、たまにだけど悪口を耳にする。
転校したいだなんて、思いたくない。
私が目にした夏のあの時は、本当だったのかなって。
へんな言い方になっちゃうけどさ、責任とってほしい。
私を、こんなに居心地のいいこの部活に引き寄せたことを。
だから、絶対につまらないなんて言わないで。絶対に楽しくないとか思わないように活動したい。
みんなと一緒にいれてよかったって思える部活にしていきたいです。
最後になっちゃうけど、
私は、みんなの事が大好きです。
いつも一緒に笑ったり泣いたり、そんな日々をこれからも過ごしていけたらいいと思う。




