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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
1年生1人1人の心
161/423

藍沢 マリア

すっと手が上がった。

マリアだった。

凛奈はコクリと頷き、マリアは立ち上がった。

フランスのこと振り返るみたいだけど、

私、幼稚園を卒園して、すぐにフランスに引っ越したんだ。

心細かったし、毎日寂しかった。

日本の友達が恋しくなった。

フランスで辛いことがあったり、悲しいことがあったら毎日、美奈ちゃんと撮った写真を見て、泣きながら

「明日も頑張る。頑張ればきっと美奈ちゃんが笑ってくれる」

って、6年間ずっと写真を大切にしてた。

10歳からテナー始めて、日本に帰ったら吹奏楽部に入ろうって。

毎日、とても楽しみにしてて、今年の春、やっと日本に戻ることができた。

美奈ちゃんとまた会えて、一緒に吹部に入った。

毎日とても楽しかったけど、最近、なんだか……。

小学校からやらなければ良かったって、毎日思ってる。それどころか、テナーなんてやらなければよかった。て思った。

ただ、経験者と初心者って言葉がこの部活に必要ないと思うの。

なくなってほしい。

私の他にも、そんなこと思ってた人はいると思う。

だから、なくなるようにしたい。

確かに、技術としてはうちらの方がだいぶ上とか上手かもしれない。だけど、この吹奏楽部で活動する仲間としては、全員初心者なんだ。

小学校の頃からソロでやってたり、バンドに入ってたとしても、この"北吹(きたすい)"で活動するのは、全員4月のあの時は初めてのことな訳で、全員この吹部のことを全て知ってるわけじゃない。

だから、これからもっと、もっともっとみんなでどうしたら良くなるかだとか、団結できる絆を見つけていきたいです。

最後になったけど、私は誰にも辞めて欲しくない。もし本当に辞めるんだったら、正々堂々とみんなの前でいってほしいな。

私は、この先なにがあっても辞めません。

みんなといる時間が宝物だって言えるように引退したいから。

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