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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
1年生1人1人の心
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みんなの気持ち

「「よろしくお願いします」」

また、号令のない挨拶でミーティングが始まった。

しかし、始まってから、話題がない沈黙まま10分ほど過ぎてしまった。

ただ、凛奈はみんなに聞きたい、というよりも話してほしいことがあった。

皆、今個人で何を考えているのだろう。どうしたらいいと思っているのだろう。

『でも……』

それを、伝えたい。

だけど、それを聞いて傷ついてしまう部員がいるのではないか、反論してそのまま崩壊してしまったらどうしよう。そんなことばかり頭の中を駆け巡り、困惑させる。

だが、今こんなところで聞かずにいつ聞くのだろう。

この8ヶ月間、何度もそう思ったが、時間が過ぎてゆくごとに、傷つくのがいやで聞くことができなかった。

逃げずに、みんなを見よう。

そう思い、黒板に、カッカッと書き始めた。

〈みんなの気持ちを聞かせてください〉

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