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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
1年生1人1人の心
156/423

ミーティング①

カッ。

凛奈が黒板に書き上げた。

【まず、今の状況を全員で話し合います】

と、凛奈がくいっと両手で何かを回す仕草をし、皆それに気づき机を合わせた。

---------

「「……」」

「ねぇ、凛奈声でないし、凛奈と一緒にもう1人誰か進行させたら?」

と、夢跳愛が言うと、皆一斉に巫愛を見た。

「……あのさぁ、前から思ってたんだけどさ、なんであたしなの? 凛奈の声が出てる時もさぁ、」

「いいからやんなよ。最終下校早いんだから」

と、愛菜が頬杖をつきながら言い放った。

「……は?」

「時間ないし、はやくやんなよ」

と、愛菜の言葉に巫愛は苛立ったようだが、進行を始めた。

「ね、ねぇ、そもそもなんでこんな状況になったの? 」

マイが問う。

「……私と愛菜のせいだよ」

と、美鈴が声をあげた。

「……」

愛菜は足を組んで黙り込んでいる。

「意見、言っていい?」

と、巫愛が手を挙げ、凛奈はこくりと頷いた。

「もともと私と真紀ちゃんのソロのことだよね。なんでさ、他のパートのことにわざわざ口出しするわけ? あんたたちに関係ないでしょ?」

「私は! ……真紀ちゃん大丈夫かなーって言っただけだよ」

愛菜が立ち上がった。

「ちょ、ちょっと待って!」

と、振り返ると、真紀がいた。

「わ、私が……ソロを降ります……。だから、だから……」

「ちょ、ちょっと待って! 真紀ちゃん、なんで真紀ちゃんがソロをやめないといけないの!?」

「だって! 私のせいでこんなことになってるんだもん! 巫愛ちゃんが2つともソロすればこんなことには……」

と、わあっと顔を手で覆った。

「もう、ソロぐらいなんでもいいじゃんか! なんでこんなことで揉めてんの!? しょーもなくない!?」

と、加奈子が机を叩いた。

加奈子の言葉に、皆が静まった。

「……ごめん、そうだよね……私がこんなこと話したから……」

と、愛菜が俯いた。




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