病院
朝緋が父を呼びに言った。
「もしかしたら、失声症かもしれない。病院へ行くか」
父は内科医なので、詳しいことはわからないので、父と一緒に父の働く病院へ向かった。
「今日、学校どうするんだ? まだいけるかわからないけど一応電話しておくぞ」
と、父は車の中で言い、電話をかけた。
「はい。すみません、お手数おかけして。またあとで連絡させていただきます」
と、電話を切った。
『父さん、ごめんなさい……』
-------
「お父さん、」
「はい」
と、医者は顔をしかめた。
「娘さん最近何かショックなことありました?」
と、父と凛奈は顔を見合わせた。
「娘さん、ストレスによる心困性失声症だと思われます」
父の行った通り、失声症だった。
「ストレス、ですか」
「娘さん、心当たりありますか?」
と、医者に問いかけられた。
下唇を噛み締め、頷いた。
心当たりは部活のことだ。
「そうですか。それなら大丈夫ですね。会話はスケッチブックとかノートで書いてすることをおすすめします」
と、2人の方にイスを向けた。
「主な治療法は、ストレスをためないこと、ですかね。薬でも治療できますが、飲みにくいですが」
「薬、お願いします」
と、父が言った。
「わかりました」
--------
「学校、どうする? 行くか?」
と、白衣に着替えた父に尋ねられた。
こくりと凛奈は頷いた。
「じゃあ送っていくぞ。スケッチブックも買っておかなきゃな」
と、凛奈は首をふった。
スクールバックの中からメモ帳とペンを取り出し、
【大丈夫だよ。歩いて行けるから。スケッチブック代だけちょーだい】
「そうか。わかった。学校に電話だけしていくぞ」
と、父は凛奈にお金をわたし、
「気をつけて行けよ」
と、病院へ戻っていった。
凛奈はなんとか文房具屋でスケッチブックとペンを買うことができた。
『よし、学校いくぞ』
と、スタスタと学校へ向かった。




